2007-11-27[n年前へ]
■「油絵のフランドル技法」と「フランダースの犬」
毛織物生産で経済的に潤っていた15世紀の(現在のオランダの)フランドル地方で油絵が生まれた。その新しい技術、油絵で驚くほど写実的な絵画を描いた ファン・エイク兄弟は、油絵の発明者と呼ばれることもある。エイク兄弟らが完成させた油絵技法、顔料と卵を水や油に溶いた材料で明暗を描き(モデリング層)、その上にさらに油絵で色調を重ね塗り(グレージング層)する絵画技法はフランドル技法と呼ばれている。
この「フランドル」は「フランダースの犬」の「フランダース」だ。フランス語読みすれば、フランドルになるし、英語読みすればフランダースになる。だから、油絵のフランドル技法は、少年ネロと愛犬パトラッシュのフランダース技法だ。そんなことを考えると、油絵の歴史の一こまが、まるで世界名作劇場の一こまに思えてくるから面白い。(「フランダースの犬」の主人公ネロが憧れる画家 ルーベンス はエイク兄弟が亡くなった100年以上後に生まれ、フランドルで活躍した)
2008-01-04[n年前へ]
■「バベルの塔」と「宗教改革」
バベルの塔を描いたピーテル・ブリューゲルがネーデルランドに生まれた1525年は、ルターがドイツで宗教革命を始めた7年後だ。ネーデルランドでは新教のカルヴァン派が広まり、ついには旧教国スペインからの弾圧を受ける。そして、ネーデルラントの新教勢力は、旧教の支配から脱するためにオランダ独立戦争を起こす。それが、ブリューゲルが死ぬ一年前だ。そして、その結果ネーデルランドは南北に分裂し、現在に至る。
そんなことが始まった時代、宗教戦争で一つの地方が二つに分かれていく時代にブリューゲルは生きていた。そんな時代を想像しながら、互いに言葉を交すことができなくなり、人々が離れ離れになっていくさまを描いた「バベルの塔」の絵を眺めると、やはり色々考えてしまう。






