2005-10-11[n年前へ]
2006-01-19[n年前へ]
■公開特許からの他社動向解析
![]()
昨日、ベンチャーフェア JAPAN 2006 のパティー・ラボのブースで「発明者相関分析システム」というものを眺めました。「特許公開データベースから共同発明者間の相関により他社の発明技術動向を知る」というものです。この技術は、2003年01月16日分の本ページの記事「他社プロジェクト追跡システム」および「できるかな?」の2003年2月2日分の「モーニング娘。でクラスタ分析」で書かれている内容そのものです。ちなみに、「他社プロジェクト追跡システム」で示されているデータは「E社の電子写真関連の特許千件強の発明者データを元にE社の画像関連技術に携わる社員の業務関連度」を示した図例です。そういった解析を行った上で、時系列クラスタ分析をしたのが「モーニング娘。でクラスタ分析」であるわけです。公開特許データベースへのアクセス・データ取得に時間がかかったりしますが、結構面白い結果を得ることができるので、お勧めの方法です。他社の技術動向を解析しようとする場合、同様のことをしたことがある人は多いかもしれません。(X軸に出願件数、Y軸に出願人数をとって描く特許マップもなかなかに面白い結果が出ます)

ちなみに、同様なことをR社に対して行って、「職場の男女関係」を明らかにしようとしたこともあります(上の樹形図はその解析過程で得られた図の一例です)。「どの男性」と「どの女性」が近い関係にあるのか?なんてことを調べたわけです。あるいは、「特定の男性の周りにどんな女性がいるのか?」なんてことを調べてみたこともあります。それも、なかなかに面白い(本人達にとってはヒヤヒヤものの?)結果が出ました。
ところで、昨日見た「発明者相関分析システム」の開発元は特許出願を行っているようですが(特願2005-277349)、この技術の新規性や特許性が認められるかどうかについては少しばかり疑問の余地があったりします。何年か前の一件以来、「特許庁への情報提供(匿名チクリによる特許成立の防止)を積極的に行おうか?」なんて考えるようになってしまいました。つまらない話ですけれど…。
2006-04-27[n年前へ]
■特許と実験データ
![]()
「神戸大教授、実験データを捏造 特許出願取り下げ」「実験データ捏造、過去の論文も調査へ 神戸大が記者会見」という朝日新聞の記事を、「出願されている特許中のかなりの割合のものが実際には実験などされていないものだろうに…」と思いながら読む。
例えば、私が見たことがある中では「常温核融合を熱源に用いたプリンタ装置に関する特許申請」なんていうものもある。もちろん、そこで「実施例」として書かれている実験が実際にされているわけもない。実施系を描いた図も「想像の(だけど、現実らしく思える程度の)世界」をまさに「描いた」程度のものであることも多いと思う。その実施例の効果・性能を描いたグラフだって、ドロー・ソフトで「描いた」ものであることだって多いだろう。
この記事からは、そういった特許の世界の背景が見えない。
2006-04-28[n年前へ]
■「アップルのカメラ埋め込み液晶ディスプレイ」

液晶ディスプレイ中に微小な無数のカメラを埋め込むことで、ディスプレイ画面とカメラを一体化させるというアップルの特許を「アップルの百眼ディスプレイ特許(Apple patent embeds thousands of cameras among LCD pixels)」から知った。United States Patent 20060007222というその特許を読んでみると、要点は「表示素子が並んでいるディスプレイ中に、撮像素子が埋め込まれていること」「撮像素子の前面のみに(表示素子の前面を遮ることがないように)レンズが装着されていること」となっている。
「表示素子が並んでいるディスプレイ中に、撮像素子が埋め込まれていること」というのは、ディスプレイとカメラを兼用するのだから当たり前の話である。そして、「撮像素子の前面のみに(表示素子の前面を遮ることがないように)レンズが装着されていること」というのも、当然である。カメラ部(撮像素子)は(ディスプレイ前方の)特定位置にピントを合わせなければならないのだからレンズが必要だが、表示部は「(ディスプレイ前方の)特定位置」からだけしか見えないのでは困ってしまうから、表示素子前面にはレンズをつけるわけにはいかないからだ。
このような「ディスプレイ画面とカメラを一体化させるデバイス」を使えば、ディスプレイを眺めながら同時にカメラに目線を向けることができる。つまり、テレビ会議で「相手と目を合わせて」話せるようになる。それは確かに気持ちが良いかもしれない。今すぐに実用可能な技術とは思いづらいが、将来は(Apple以外にとっては)イヤな感じの特許になったりするのだろうか?(公知例を探すのではなく)この特許を回避するとしたら、「撮像素子の前面のみに(表示素子の前面を遮ることがないように)レンズが装着されている」ということをしないという辺りだろうか、それとも表示素子と撮像素子の配置で逃げるのだろうか。
この発明者の思考過程を知るため、ちょっと発明者の背景を眺めてみた。発明者は、現在はAdobeに勤務していて、以前iMovieのプロダクト・マネージャーというポジションでAppleに勤務しており、その前にソニーの研究開発戦略本部のマネージャーだったようだ。かつて、撮像素子開発に優れるソニーの研究開発戦略に携わっていたという辺りが、撮像素子と表示素子を合体させるアイデアの背景だろうか。
2006-04-30[n年前へ]
■「学術論文」と「特許」の間に流れる深くて暗い河
![]()
Tech総研ブログ平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女に「学術論文」と「特許」の間に流れる深くて暗い河 〜 特許申請は「検証されてから出すもの」じゃない… 〜 を書きました。事情を良く知っている企業側はただ黙っているに違いありませんからねぇ…「特許はSF(サイエンス・フィクション)みたいなものだよ、ホントはね」なんて言うわけにはいきませんし。
そろそろ、きちんと解説した記事が出てきても良い頃ではないでしょうか。「神戸大の教授」に矛先を向ける記事・対応は間違っています。





