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携帯電話の同時性? 競馬の写真判定とパノラマ写真 その後(PC閲覧用リンク)


 先日

を書いてから面白いメールを頂いた。その一部を抜粋すると、
 小生は超音波を利用した新しい流体場測定を行っていますが、この方法で得られるDataは空間1次元時間1次元の2次元データです。従って得られるのは、このページにあったような画像が直接得られるわけです。

 この方法といくつかの結果を発表してから、あちこちからコンタクトがありましたが、その中の一つが、NYのSirovichという高名な流体力学者からの手紙でした。彼はいわゆるSnapShotを、逆に小生のデータから構築できないか、というのです。

 今このWebでされたことの逆をしたいというわけです。流れの空間構造を解析するために使いたいのです。残念ながらこれは、以下に少々説明するように、原理的に無理な話で断らざるをえませんでした。

 つまり、時間軸に速度をかけて空間軸に変換できればよいのですが、流体場はそれ自身が速度分布を持っていますから、一体何を使えば良いのかが定まらない。

 電磁波の場合には光速が一定ですから、時間情報から空間情報を得ることができますが、古典流体力学では不可能なのです。工学的には平均流速を使って、時間-空間の変換をしますが、それはインチキとまでは言わないまでも、便宜的なも
のでしかありません。

 このWEBの中での例では、馬?の速度のみであとは静止しているので、可能でし
ょう。

とある。

 「馬?」という箇所に、私との意見の相違があるようだ。私が明らかに「馬」であると言い張っているものに疑問を持たれているような気がするのであるが、今回そこは気にしないでおく。

 なるほど、音波や電磁波などを使って計測を行い、得られた

のグラフから、音波や電磁波の速度を用いてのデータを再構成する計測というのは多い。例えば、などもそうである。いずれも、音波や電磁波が計測される時間のズレから、音波や電磁波の速度を用いて、空間位置に変換して解析を行うものである。

「魚群探知機」は超音波を水中に発信して、その反射波が刻々と帰ってくる様子から、(超音波の速度を用いて、空間位置に変換した後に)障害物(ここでは魚群)の様子を計測するものである。「気象レーダー」も電波を使って同様に雲の分布などを測定する。
「電荷分布測定装置」の場合は、(例えば外部電界を印加し)電荷を持つ個所を振動させてやり、その振動がセンサー部に刻々と伝わってくる様子から(あぁ、なんて大雑把な説明なんだ)、(固体中の弾性波の速度を用いて、空間位置に変換した後に)固体の中にどのように電荷分布が存在しているかを計測するものである。

と、文章だけでは何なので、WEB上から、それらの計測器を用いた場合の計測例を示してみる。

 下が魚群探知機である。リンク先は

である。
魚群探知機
リンク先はhttp://www.taiyomusen.co.jp/gyogun.html
[画像]

 また、この下は空間電荷測定装置である。これなども、とても面白いものだ。リンク先は

である。
空間電荷測定装置の計測結果
リンク先はhttp://www.crl.go.jp/ys/ys221/charge/PEA_3D.html
[画像]

さて、こういうことを、調べてみるだけではしょうがない。自分でもそういう計測をしてみたい。
そこで、次のような実験をしてみようとした。

  1. 部屋の中に複数の「音の発信源」を配置する。
  2. 複数の「音の発信源」から同時に音を発する。
  3. それをPCで収録する。
  4. 音声が「音の発信源」からPCに到達するまでの時間を解析する
  5. 複数の「音の発信源」の位置を計測する。
 しかし、複数の「音の発信源」で同時に音を発するにはどうしたら良いだろうか?電子ブザーなどを複数制作して、部屋の中に配置しようかとも考えたが、それも少し面倒である。

 そこで、安易にも時報を使おうかと考えてしまった。しかも、数があって手軽ということで、携帯電話を使おうとしたのである。

 しかし、複数の携帯電話を集めて、117に電話して時報を同時に聞いてみると、とても同時どころではない。てんでばらばらなのである。電話のスピーカーから流れてくる時報のタイミングには結構ズレがあるのである。

 携帯電話の間には結構同時性がないのだ。また、固定電話とも比較したが、固定電話よりも時報が速いものもあれば、遅いものもあった。

 そこで、複数の携帯電話を聞き比べた結果を以下に示してみたい。この写真中で左の携帯電話ほど時報が先に流れており、右になるほど時報が遅れているのである。一番早い左と、一番遅い右では一秒弱の違いがあった。

左の携帯電話ほど時報が先に流れており、右になるほど時報が遅れている
[画像]

 また、参考までに、家の固定電話と携帯電話の時報を一緒に聞いたサウンドファイルを示しておく。

この携帯電話は先に示した画像の一番左である。つまり、先の携帯電話群では一番時報が早かったものなのである。しかし、家の電話よりは一秒弱遅かった。ということは、家の固定電話と先の一番遅い携帯電話では時報の時間にして2秒弱の違いがあることになる。

 そして、「家の固定電話と携帯電話の時報を一緒に聞いた音の変化」をスペクトログラムにしたものを以下に示す。

「家の固定電話と携帯電話の時報を一緒に聞いた音の変化」のスペクトログラム
[画像]

水平軸が時間軸であり、時間は左から右へ流れている。また、縦軸は音の周波数を示している。ここでは、「1」で示したのが家の固定電話の時報であり、少し遅れて「2」の携帯電話の時報が聞こえているのが見てとれる。

 よく時報を確認することはあるが(実は私はほとんどないのだが...)、携帯電話・PHSで時報を聞く限り、秒の精度はそれほどないようである。また、勤務先の固定電話は先の携帯電話群と比べても遅い方であった。それは少し意外な結果であった。

 今回調べた「携帯電話の同時性のなさは」は常識なのかもしれないが、電話の時報で時計を合わせるのはあまり精度が出ないやり方であることがわかっただけでもよしとしよう(別に実験を途中で投げ出した言い訳ではないけれど)。

 今度、TV(衛星TVなども遅延時間を考慮した時報の放送を行っていると聞くし)やラジオを用いて当初計画していた実験を行おうと思う。その際には、時報がPCに到達する時間のズレで「音の発信源」までの距離を計測し、左右のマイクでの違いを計測することにより、「立体音感シリーズ」のように「音の方向」を得てみたい。

 というわけで、話が「立体音感シリーズ」に繋がったところで、今回は終わりにしようと思う。


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