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2011-02-27[n年前へ]

「ここは人間が工場の主人公だ」 

 「下丸子にある町工場で電車で通うようになって…」から始まる一節が、多摩川を眺めたことがあるガテン系なぼくらにとても印象的な、 小関智弘「町工場で、本を読む 」から。

 世界の工場になろうという中国の産業の躍進ぶりは、テレビや新聞・雑誌でよく伝えられてきた。…どうせ行くのなら(中国の)町工場がいい。そこで働いている旋盤工と話がしてみたい。
 優秀な機械を買い揃えて、安い労働力をふんだんに使って…というイメージとはほど遠いその現場では、現場の若い技術者や技能者が額を寄せ合って、日本ならとっくにスクラップになっている門型のプレスを改良して、電気部品の深絞りに挑戦していた。
 いま管理のゆき届いた工場を見学すると、その職場の空気があまりに無機質なことに落胆してきた。それに比べるとここは人間が工場の主人公だ。



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