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2010-04-14[n年前へ]

気付かないことを教えてくれる解説や説明 

 久世光彦 主催の「久世塾 」単行本を読んでいると、滅多に手放しでドラマを褒めることがないという久世光彦が「ビューティフルライフ 」を、シナリオが上手い、演出が上手い、そして、木村拓哉が上手い、映像監督が、カメラマンが、関わった人すべてが上手い、と非常に評価していた。

 僕はあのドラマを非常に評価するのです。めったにドラマは褒めませんけれども、あれはみんながうまいのです。

特に、印象的だったのは、木村拓哉についてこう書いていた部分だ。

 それと木村拓哉がうまい。あの木村は半端でなくうまかった。(中略)そのぶんをちゃんと木村が背負ってやっている。あれが何か妙な間で、悲しいのか悲しくないのかわからないじゃないかというようなことがうまいのです。
 なぜ印象的だったかというと、「ビューティフルライフ」について全く同じようなことを、確か(誰が書いていたか、記憶が正確ではないけれど)清野徹が書き、絶賛していたからだ。あの木村拓哉の演技は絶品だ、と。

 こういった解説がされて、ようやくわかること、というものは数多くある。こういう解説文を読んだ時には、自分では汲みとることができなかったもの、あるいは、自分では見ることができない「それがどのように生み出されたか」を知ることができて、少しトクをしたような気持ちになる。そして、もう一度、それを味わい直したくなる。

 例えば、「ビューティフルライフ」は、いかにもトレンディドラマの代表みたいな木村拓哉と常盤貴子をくっつけて設定を合わせただけだろうとけなす人もいるけれども、そこには戦争があってドラマになっていた。それは見てわかる。ディレクターと北川悦吏子さんとの間でかなり熾烈な戦争があったような気がします。

久世光彦



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