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2009-12-03[n年前へ]

NEWS今昔物語「他人と自分」編 (2004年06月00日) 

5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと

 この時、つまり5年以上前のNEWSは「評価」「比較」ということを主題に集めたように思う。NEWSを書きながら、他者との評価・比較や他者からの評価・比較といったことが念頭に浮かんだ。だから、「他人と自分」編というサブタイトルを付けた。

 最近のNEWSのひとつに「事業仕分け」がある。これもひとつの「他者による評価」「他者との比較」である。5年前の記事中にスーパーコンピュータに関する記事もあるが、今現在、次世代スーパーコンピュータも俎上(そじょう)に上がっている。一体、スーパーコンピュータに関する「事業仕分け」では、どのような「評価」「比較」がされていくのだろうか。

 ところで、「自分への視線を発見・記録するメガネ」だが、自分への評価を眺めることができて、さらに、「自分を対象とした事業仕分け」まで解析・表示することができる「新カメラ」すら、いつの日か生まれるかもしれない。まるで、SFのようだが、これまでの科学技術の歴史はSF本の中のものをたくさん具現化してきた。もしも、そんな「個人対象の事業仕分けカメラ」が生み出されてしまったら…考えるだけで恐ろしい。

(記事を書いた時の)ひとこと

 「他人」と「自分」という「人」と、「機械」や「機械ができること」についてのNEWSを集めてみました。

「センター試験」と「2次試験」の数学の得点は無関係?

 東北大学の理学部志願者の「センター試験」と「二次試験」の各教科成績を調べ、外国語などはセンター得点が高ければ2次得点も高いという相関が表れたが(例:基礎統計学から見た入試)、数学では相関が極めて低かった、との 森田康夫氏による分析結果が5月30日に報告された。 その点数のズレの原因は、大学が重視(評価)する二次試験は「論理的思考能力」を重視し、センター試験は「計算能力」を重視(評価)しているためであるという。

 最近は、エンジニアに対する評価をどのように行うか、という論議もよく見かける。 しかし、誰もが納得するような評価を行うということは極めて難しい問題である。少なくとも大学入試には解ける問題しか出題されないが、この評価制度の場合は解くことが未来永劫できない難問だったりするのかもしれない。

自分への視線を発見・記録するメガネ

 「赤外線を投光し、角膜からの反射光が瞳の中心に位置するかどうかを解析することにより、自分への視線を発見・記録する」というメガネの研究が5月4日に視線入力に関するシンポジウムで報告された。このメガネをかければ、自分が何を眺めたかだけでなく、誰が自分を見つめたかまで記録される(MPEGビデオ)。逆に言えば、自分の視線が何処を向いているかを記録されてしまうのだから、サングラスをかけて自分の視線を隠す人が増えるかもしれない。

 そういえば、携帯電話で撮影した顔写真を送信すると、その「顔」がどの芸能人に似ているか評価・採点してくれるサービスなどもある。同じように、他人が自分を眺めながら「どんな評価・採点をしているか」まで視線から知らされてしまったら…? そんな「評価スカウター」があったら、人の視線・評価が気になってたまらなくなってしまうに違いない。

高性能計算用途のWindowsと2テラFLOPSのGRAPE-DR

 先日、Microsoftが「高性能コンピューティング向けのWindows」の計画を開始した。 並列計算をWindowsで行いやすくする、という計画である。とはいえ、私たちの手元にあるようなクライアント用のWindowsではなく、あくまでサーバー用のWindowsの話だ。ExcelからグリッドPCを用いた演算機能を利用できるようにするという製品もあるが、残念ながらそういった環境はまだ一般的にはなっていない。一般的でもお手軽でもないからこそ、「スーパー」コンピュータなのである。

 当初は「20万円で作ったスーパーコンピュータ」という売り文句で有名になったGRAPEだって進化を続け、先日は2ペタフロップスを実現しようとするGRAPE-DR計画発表された。汎用計算ができるわけではなく、あくまで専用計算機であるから、比較するわけにはいかないが、2テラFLOPSというのはスゴイ世界だ。何しろ、一秒間に2千兆(2000000000000000)回もの浮動小数点演算を行ってしまうのだから。

米国防省の検閲語句がフォント解析で解読される

 米国防省のイラクに関する文書から「検閲により消されてしまった文字」を、消された単語の幅を推定し、フォント(字体)の種類を考慮して(その単語の幅になる)文字の組み合わせを調べだし、妥当な単語・名称をしらみつぶしに検索することで、消された文字を復元したという5月13日の Natureで報告された。コンピュータ上の電子辞書と文章解析ソフトだけで、米国防省の検閲を突破できたわけである。

 ところで、こんな風に機密保持のために塗り潰した部分が解読されてしまったのも、そもそも紙資料の画像で機密文章を公開したからである。いつまで紙文化が続いていくのだろうか。

2010-12-23[n年前へ]

一 乗寺と天下一品に代表される「裏の京都」 

 「京都の話である。Lispや非単調論理の業績によ って、Stanford大学のMcCarthy先生が、本年度 における、京セラ(もしくは稲盛財団)の京都賞 を受賞され、先日、京都国際会議場において、 その授与式が行われた。ということは、実は、 以下の話とは全く何の関係もない」という、凡才万歳の"みつを"チックなこんな話。

 東大は、どのような分野にせよ、日本を支えて 来たという自負があるから、学生も秀才であろ うとし、教官も秀才を秀才として世に出そうと する。一応、東大を出れば、大抵の学生は、そ れなりの企業などに入り、それなりの仕事をす る。

 これに対して、無秩序の京大は、天才か馬 鹿の二者択一を迫る。つまり、京大(特に理学部 にその傾向が顕著である)は、一握りの天才(そ のうちの何人かはノーベル賞などを受賞する)を 生み出すための大学であり、一握りの天才たち は、累々とした凡才たちの屍の上に立って世に 出るのである。

 京大の無秩序さは、どこかで見たり聞いたりし たような気がするに違いない。そう、阪神であ る。



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