hirax.net::Keywords::「産業革命」のブログ



2007-11-23[n年前へ]

時代を眺めながら色の未来を考える 

 東京理科大学の宮原教授の講演の面白かった2つめのこと、実際には講演の主たる内容は、「光」と「色」を「産業や芸術や科学といった時代」の変化を辿りながら考える、というものだった。期せずして趣向が重なった「絵画の歴史を辿りながら、光と色を考える」というポスターセッションの研究報告と共に眺めることができたので、心から楽しめた。

 この十数年、画像形成技術は進化し続けています。
しかし、歴史の中で十数年はほんの一瞬です。

 講演終了後に話し合った「ニュートンとホイヘンスの論争をどう思うか」「宗教革命や産業革命そして東インド会社という時代からの必然」「シュンペータとイノベーション」といった話が、また面白かった。そういった内容については、画像関連の場所で、近いうちに、まとめて提供する機会を作りたいと思う。

 千年近い歴史を、3分ほどで辿りました。
こういった話題を材料に、たくさんの方々と
お話できることを願っています。

2007-12-03[n年前へ]

「夕焼を描いた古典絵画」と「火山噴火」の研究とターナーの「戦艦テメレール号」 

 絵画に描かれた夕焼けの「赤み」と火山噴火の関係を研究したもの。「赤み」は絵画をスキャンした画像のRGBピクセル値から(R/G)と算出したという。「それどこのRGB?」という声が聞こえてきそうだけれど、この色々なものを繋げる遊び心がとても面白い。時の流れの中で起きたことを、絵画の中に見ようとする試みは何だか楽しい。

 この研究を見て思い浮かべた絵画が、ターナーが描いた「解体のため錨泊地に向かう戦艦テメレール号」(1838)だ。帆船である船艦テメレール号を、ジェームズ・ワットの蒸気機関で動く蒸気船が曳いている。帆船は、解体地へいく途中である。古い時代の象徴である帆船が去り、蒸気船が新しい時代を牽引している。船艦テメレール号に目をやると、背景は夕焼けに見えてくる。帆船の時代が終わったことを感じさせる。また、蒸気船に目を向け、蒸気船を主役に見るとき、背景はまるで朝焼けのように見えてくる。産業革命を迎えた時代、新しく躍動する時代の幕開けを飾る絵のように、まるで見えてくる。

 時代、経済や科学や文化や生活や火山の噴火や…色んな歴史を辿ってみると、そこにあるの既に過去完了形になった古いことだ。けれど、自分が知らないことだから、新鮮に感じる。

夕焼け描いた絵画を分析、温暖化研究に活用へAtmospheric effects of volcanic eruptions as seen by famous artists and depicted in their paintingsArt paintings can provide proxy indices for natural phenomena 絵画から辿る気候変動の歴史解体のため錨泊地に向かう戦艦テメレール号テメレーア (戦列艦)








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