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2010-05-24[n年前へ]

「注文の多い料理店」を好きな人・苦手な人 

 食べること・飲むことが好きだ。自分が飲食するのも好きだし、人が美味しそうに食欲大魔神になっているのを見るのも好きだ。…しかし、それはあくまで、食べたいもの・飲みたいものを、自分たちのペースで口に入れている場合である。

 秋葉原で、軽く夕飯を食べようと、串揚げの店に入った。最初に、苦手なものを聞かれ、「苦手なものはありません」と答えると、もう食べられなくなったらストップと言ってくださいと言われ、ひたすらにおまかせで色々な「串揚げ」が次々と出てくる。どれもこれも、間違いなくとても美味しいのだけれども、食事の場としては何だかとても良くない。

 全席カウンター形式というのも、好きなタイミングで好きなものを注文できる限りは最高だが、「苦手なもの」以外は自分の選択肢がないとなると、いや、唯一頼めるメニューが「ストップ」しかないとなると…何だか自分が人工餌をひたすら食べ続けるブロイラーになったような気持ちになってくる。50cmの眼の前に、ひたすらに具を揚げ続ける人がいると、その人に聞こえないように、「この店、今一つ良くないから、すぐ出て違う店に行きません?」と、連れの人たちにその意思を伝えることも難しい。

 また、一緒にいる人たちと話をしていて、串を出されるスピードと食べるスピードが合わないと、揚げた串が食べる前に冷えてしまうこともある(それはとても残念だ)そして、自分の気持ちだけでなく、食べ物にも悪いし、料理を作る人にも悪い。客の回転率を上げ、売上を上げることに関してはとても良いシステムだと思うのだが、それ以外のことを考えると、すべてに悪いシステムであるような気がする。

 美味しい串揚げをお腹いっぱい堪能し「ストップ」と言い、満足して店を出た。しかし、こういうシステムの店には二度と入るまい、とも誓ったのである。「料理の食べ方」が指定されているような注文の多い料理店には、これから気をつけようと思う。



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