hirax.net::Keywords::「鴨川ホルモー」のブログ



2009-08-07[n年前へ]

このごろ都にはやるもの 

 万城目学が「鴨川ホルモー 」の世界を違う筆致で描いた「ホルモー六景 」の小気味よい売り口上から。

 このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。
 人それぞれ好みは違うでしょうが、私は「鹿男あをによし 」より、この「ホルモー」の方が、学生時代の切なく貴重な空気を感じることができてとても好きです。そして、「鴨川ホルモー」より、(各話が各所で繋がっているとはいえ)短編集な分、序盤に飽きを感じないところも良いように思えます。

鴨川ホルモー 」を半分程度読んだ辺りで、「ホルモー六景 」を同時並行的に読むのも面白いかもしれません。

「Girls be ambitious」
何だか、少しだけ元気が出てきた。

2009-08-08[n年前へ]

プールサイドに夏がくりゃ、イェイェイェイェ 

 高校生の頃読んでいたなら、きっと京都で学生生活を過ごしたくなったに違いない万城目学の「鴨川ホルモー 」中の、吉田山にある吉田神社でノリノリで踊るシーンから。

ドライブウェイに春がくりゃ
イェイェイェイェイイェイ イェイェイェイェ
プールサイドに夏がくりゃ
イェイェイェイェイイェイ イェイェイェイェ
レナウン レナウン レナウン レナウン娘が
おしゃれでシックなレナウン娘が
わんさかわんさか
わんさかワンさか
イェイ イェイ イェイェ~

2009-08-11[n年前へ]

「鴨川ホルモー」タイムラインを作ってみました 

 万城目学の「鴨川ホルモー 」「ホルモー六景 」の中に描かれていることを、時系列的に並べ眺めてみたいと思ったので、「ホルモー」のタイムライン叩き台を作ってみました。

 適当な土台になる出来事(イベント)を大雑把に書きいれてみましたので、この時系列を念頭に置いて出来事を並べていけば、どの出来事が他の出来事にどう繋がっているかがわかりやすくなるかもしれません。

 ちなみに、イベントが西暦何年に相当するかの算出は「同志社大学黄竜陣」「丸の内サミット」が土台になっています。つまり、丸の内サミットが、1877年から130年以上経っていて、火曜の4/24がということから、2007/4/24の出来事だと明らかになる、という具合です。

2009-10-30[n年前へ]

「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」 

 青春小説のようなシーンを交えながら、数学世界を解説していく「数学ガール (結城浩)」を読んで、少し前に読んだ万城目学の「ホルモー六景 」を連想しました。連作短編集「ホルモー六景」中の一話、京都市左京区を舞台に、一人の男子高校生が自分では気づかないうちに年上の女子大生に抱いていた淡い恋心と、デート風の(けれど決してデートではない)一日の散策を描いた「ローマ風の休日」です。

「じゃあー少しだけ、僕とデートしてくれませんか?」

 鴨川の始まりである出町柳辺りから、御池大橋までを舞台に、オイラーが解いた「ケーニヒストベルグ橋の問題」を題材にして、ローマの休日風な素敵で切ない数時間(と数ヶ月)を描いた一話です。見事なくらいに、微妙な心の機微と数学の世界が一体化した素敵で少し切ない短編です。

 午後四時になってもまだ陽の高い、京都の休日へ繰り出した。

 実際には、「ケーニヒストベルグ橋の問題」を解くという口実の(体力的に疲れそうな)デートに、付合ってくれる女性は少なそうな気がします。・・・とはいえ、この「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」の一話、「ローマ風の休日」はとても楽しめる話です。

 「ローマ風の休日」は「ホルモー六景 」だけでなく、何人かの小話を集めた短編集である「きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103) 」にも収録されていますから、中高校生、あるいは、モラトリアムな大学生(社会人)は一度手に取って読んでみると面白いと思います。

 ケーニヒスベルグの橋とは、プロシアの首都ケーニヒスベルグ(現在はロシア領カリーニングラード)を流れるプレーゲル河に架かる7つの橋のことである。この7つの橋を全て一度だけ渡り、元の場所に戻れるか、という議論によって有名となった。

 ケーニヒスベルグの橋の問題は1736年に、数学者オイラーにより、地図を線と点で表現し、その図形を一筆書きできるかの問題と整理されて考えられた。その結果、一筆書きできない、すなわちケーニヒスベルグの7つの橋を求められた条件の下に渡る道順は無いとして、解決された。ケーニヒスベルグの橋は、グラフ理論とトポロジーの起源であると言われている。
ケーニヒスベルグの橋
 さて、鴨川源流を舞台にした「ケーニヒスベルグの橋の問題」はどのような答えになるでしょうか。ノートの上で手と頭で解いてみても良いですし、京都の街を自転車で走り、この数学の問題を足と体で解いてみると面白いと思います。そんな「理系風デート」があると・・・さらに、楽しいでしょうね。
 彼女ははそれから、いろいろな数学の話を聞かせてくれた。

「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」








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