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2011-09-19[n年前へ]

染料インクで白い「鉄道花(ヒメジョン)」をカラフルに染めてみよう? 

 「虹色のバラ」と「国際特許というハッタリ」で書いたように、染料を混ぜた水に切り花を挿すと、花は色はその染料の色に染まります。染料というのは、簡単に水に溶くことができるような、たとえば数十ナノメートル程度の大きさの小さい色材です。植物が水を吸い上げていく細胞膜の穴は数十ナノメートルから百ナノメートル程度の大きさですから、植物が水を吸い上げようとすると、水に溶けた染料も植物の細胞を自由自在に通り抜け、花びらの先までたどり着くというわけです。だから、染料インクを使うインクジェット・プリンタ用詰め替えインクに切り花を生けると、花はその色に染まります。

 「染料」と強調しているのは、つまり「顔料」ではない、ということです。顔料というのは百ミクロン大きさを持つ色材の凝集体ですから、そのままでは水に溶けることもありませんし、細胞膜の穴を通り抜けて行くにもサイズが大き過ぎるのです。だから、「顔料インク」に花を生けても、花が綺麗に色づくことはありません。

 右の写真は、100円ショップのダイソーで買った「詰め替え染料インク」にヒメジヨンを生け、花にインクを吸い上げさせることでカラフルに染め・作り上げた「小さなカラフル花束(ブーケ)」です。色とりどりカラフルに見えるこの花束は、実はすべて白いヒメジョンで、「ヒメジョンをシアン・マゼンタ・イエローの三色のインク(とシアンとイエローを混ぜ作り上げたグリーンのインク)に生ける」ことで作り上げたものです。

 そして、下の動画が「染料インクにヒメジョオンを生け、色づく」ようすを撮影したものです。インクに生けられた花が、水を吸うと同時に色を吸い上げて、花の色が変わっていく様子がわかります。デジカメの動画ではわかりづらいかもしれませんが、実際に眺めていると、ものの数分経たないうちに、花びらの葉脈から色づき・染まっていくことがわかります。



 ところで、初夏から晩秋にかけて、小さな白い花を咲かすヒメジョオンは、線路沿いに咲きそろうことも多く「鉄道草」と呼ばれたこともあるといいます。鉄道大好きな「鉄子=鉄っちゃんな女性」が身近にいたならば、(右の写真のような全長10cm弱の)こんな鉄道花で作り上げた”お手製”カラフル・ブーケ(花束)を作り、「あなたみたいな小さいけれど可愛い花ですよ」と手渡してみるのも良いかもしれません。

鉄道花の花言葉:「君は鉄分100パーセント」


 *ヒメジョン(鉄道花)の本当の花言葉は「素朴で清楚」です。

詰め替え用染料インクで白い「鉄道草」をカラフルに変身させてみよう!?詰め替え用染料インクで白い「鉄道草」をカラフルに変身させてみよう!?詰め替え用染料インクで白い「鉄道草」をカラフルに変身させてみよう!?詰め替え用染料インクで白い「鉄道草」をカラフルに変身させてみよう!?詰め替え用染料インクで白い「鉄道草」をカラフルに変身させてみよう!?






2011-10-20[n年前へ]

「銀色チューブ」には「油で練り込んだ化学式」が詰まってる 

 短編連作小説集である、加納朋子の「掌の中の小鳥 」の冒頭「掌の中の小鳥」の前半に書かれている、雲雀(ヒバリ)の油絵に関するエピソードから。

 あのとき君が描き出した色は、本当にきれいだったね。曖昧で、微妙な色彩だった。今まで見たどんな絵にも、あんな色はなかった。だけど、それも当然だった。君は絶対に混ぜ合わせちゃいけないとされる色ばかり選んで、あの絵を描いたんだ。
 ウルトラ・マリーン(ケイ酸アルミナ・ナトリウム)とエメラルド・グリーン(酢酸亜ヒ酸銅)、クローム・グリーン(クローム酸鉛とフェロシアン化第二鉄)とカドミウム・イエロー(硫化カドミウム)なんて具合にね。
 僕は考えたこともなかったよ。あの銀色のチューブの中身が、化学式を油で練り込んだものだなんてね。

2012-09-19[n年前へ]

「君は鉄分100パーセント」 

 「n年前へ」から。『染料インクで白い「鉄道花(ヒメジョン)」をカラフルに染めてみよう?

 初夏から晩秋にかけて、小さな白い花を咲かすヒメジョオンは、線路沿いに咲きそろうことも多く「鉄道草」と呼ばれたこともあるといいます。鉄道大好きな「鉄子=”鉄っちゃん”な女性」が身近にいたなら、鉄道花で作り上げた”お手製”カラフル・ブーケ(花束)を作り…手渡してみるのも良いかもしれません。

鉄道花の花言葉:「君は鉄分100パーセント」



2014-12-20[n年前へ]

フェルメール「絵画芸術」をX線CTボリューム像で眺めてみよう!? 

 巨匠絵画の埋蔵文化財発掘をしてみたい!なんて3週間前に書きました。すると、フェルメール「絵画芸術」のX線CT画像があったので、ボリュームイメージにして眺めてみました。…フェルメールの絵は、粒径が粗いゴロゴロした顔料層の上に、粒径サブミクロン以下のきめ細やかなな層が塗り重ねられていて、それらの層の特性が違うために剥離・壊れやすい…というわけで、そんな層恒星を 次元的に眺めたくて、X線CTのボリュームイメージを眺めてみました。

 下の動画がフェルメール「絵画芸術」の派遣のX線CTボリューム像です。また、WebGLに対応したブラウザがあれば、ブラウザ上でもグリグリと動かし・眺めることができるようにもしておきました。

 ボリュームレンダリングしつつグリグリ眺めてみると、複数の油絵層が剥離つつあるさまや(内部で密かに広がっている絵具層間の空隙)を発見することができます。

 …次は、こうした層構成が「どんな風に見えるか」がわかるようなレンダリングでもしてみようと思います。

フェルメール「絵画芸術」をX線CTボリュームで眺めてみよう!?








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