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2012-09-21[n年前へ]

「演じる」こと「信じる」こと 

 イスラム圏で激しい反米運動を引き起こしている映画『イノセンス・オブ・ムスリム』 について、その映画に出た女優が書いた「ある女優の手紙」(訳者:Shiro Kawaiさん)

 表現というものには大なり小なりあることだが、特に芝居を創る過程では、 人間が自分を守るために身につけたガードを捨てることを要求される。 それはまるで、 誰かが下で受け止めてくれることを期待して、目隠しして絶壁から飛び降りるような行為だ。 そのために、現場には絶対的な信頼が必要だ。脚本家を信じ、 演出を信じ、スタッフを信じ、他の役者を信じ、自分自身を信じる。 これが大前提だ。

訳者:Shiro Kawai

 私は旧ソビエト連邦のグルジア共和国で育ちました。 ストライキ、反対運動、デモ、不正、残酷さ、暴力を見て育ちました。 ロシアとグルジアが戦争をしていた時に、そこにいました。 寝るときも外出着を着てバックパックを離さず、爆撃があったらすぐ逃げられるようにしていました。

Anna Gurji
 私が役者の道を歩みたかったのは、別の人物へと変化する過程が好きだったから… それは利己的な理由だったのかもしれません。

Anna Gurji
 そして、演じることにはより大きな意味があると気づいたのです。 演技を通して、我々役者は、様々な登場人物を現実のものとすることができます。 そして観客は、様々な人物を観ることで、そういう立場の人を理解し始めます。 理解すれば、受容することができます。 受容できれば、人々は手を取り合うことができます。

Anna Gurji
 私が信じることとは正反対の主張に、私自身の姿が利用されるのは、耐えがたいことです。

Anna Gurji



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