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2013-01-06[n年前へ]

ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!? 

Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」

 深夜、「ユー・ガット・メール!」とコンピュータが音声アナウンスしました。 確認すると、こんな指令メールが届いています。

 目の粗い生地の服を着た人を見かけます。 たとえば、「2方向以上から撮影した画像」とか「(数コマ撮影した)動画」をもとにして、衣服を透けさせることは可能なのでしょうか?
 この指令メールに答えるために、2013年が始まるこの時期=”年始”の時期に合わせ、「”念視”カメラ(透け透けカメラ)」を作ることができるか?に挑戦してみることにしました。

 カメラレンズと被写体の間に(たとえば)レースのカーテンのようなものがあったとしても、大きなレンズ(つまり被写体をさまざまな異なる向から眺めるレンズ)で撮影すると、ピントがあった箇所だけを(強調して)写し取ることができます。 つまり、「繊維の目が粗い衣服」を着ている人がいたとき、口径の大きなレンズで・衣服の内側の体表面にピントを合わせて撮影すれば、衣服を透けさせ・(衣服の)内側を映し出すことができる、というわけです。

 しかし、一般的なカメラがピントを合わせることができるのは、ごく単純な平面(単純な曲面)上の領域になりますから、複雑な形状をした(衣服の内側にある)体表面にピントを合わせる、といったことはできません。 そこで、今回は「任意(全て)の点に対してピントを合わせることができるカメラ」を使うことにします。 、

 使用するカメラ、繊維の目が粗い服を「透けさせてしまう」カメラとして使うのは、ライトフィールドカメラというジャンルに属するLytroという名前のカメラです(参考:ライトフィールドカメラを「巨乳ビジョン」にしてみよう!?)。 多眼レンズを撮像素子の前に配置させることで、カメラの主レンズに入射する光が来る方向と輝度を撮影することができる特殊カメラです。 このカメラで、「繊維の目が粗い衣服」を着ている人を、(衣服と人の空間ディメンジョンに対して)口径の大きなレンズで撮影=異なる方向から撮影し、写された三次元領域の中にある「(衣服繊維色とは違う)肌色」の部分を抽出すれば、衣服の向こうを透かして見ることができる「妄想カメラ」のできあがり、というわけです。

 Lytroカメラで作る「妄想(透け透け)カメラ」のモデル は、右の写真、身長21cmのスタイリッシュな方です。そして、「(お洒落な)目の粗い衣服」はローソン100で「三角コーナー用水切りネット」を切って作りました(右の写真は水切りネットを4枚重ねしていますが、今回の実験ではネット1枚のみで衣服を作りました)。

 この(目の粗い衣服を着こなした)モデルさんを、後から任意の位置にピント合わせをすることができるライトフィールドカメラLytroで撮影したのが下の写真です。 この写真の上でマウス操作をしてみれば、後から焦点・視点位置を変えることができることがわかると思います。

 Lytroカメラで撮影した写真群(左は1視点からの画像を再構成した例)をもとに、(写された)三次元領域の中にある肌色部分を抽出したのが、右の写真です。 つまりは、異なる視点から(繊維の隙間を通して)透けて見える肌色を選んでレンダリングし(描き)、繊維を消して見せる妄想カメラです。後から違う方向から見ることができて、後から違う任意の場所に焦点を合わせることができるなら(そして何らかの事前情報があるのなら)、こんな妄想カメラ(透け透けカメラ)を作ることもできるだろう、というわけです。

 

 「衣服を透けさせるカメラを作ることができるか?」…その答はYES!です。そういうものを作りたいと思う心、そこにほんの少しの技術をトッピングすれば「作れないものはない」…それが答えです。

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Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」 

 『ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!? -Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」- 』を書きました。

「衣服を透けさせるカメラを作ることができるか?」…その答はYES!です。そういうものを作りたいと思う心、そこにほんの少しの技術をトッピングすれば「作れないものはない」それが答えです。

2015-01-15[n年前へ]

「近赤外で妄想カメラ」や「ゴッホ絵画の外側」を見る!? 

 (Mathematicaの開発元である)Wolframの Blogを眺めていると、「可視光で撮影された霞んだ画像を、同時に近赤外線で撮影した写真の情報をもとに霞除去する」という面白い話がありました。この手法を、クダラナイことに応用するならば、たとえば可視光線で撮影した普通の写真を、同時に撮影した近赤外線情報を使ってスケスケ妄想カメラにできる!などと考えたりします。

 そして、Wolfram Blogをさらに眺めていると、ゴッホの画像から「キャンバス内に描かれなかったさらに外側を、描き出してみよう」という面白い記事があります。これは面白い!というわけで、同じくゴッホが描いた「ローヌ川の星月夜」を、額に収まらなかった世界の先をさらに広く描いてみました。

「近赤外で妄想カメラ」や「ゴッホ絵画の外側」を見る!?






2018-07-03[n年前へ]

深層学習で「体が入れ替わってる!?」妄想カメラを作る! 

 発売中の「Software Design 2018年7月号」に、4p記事を書いています。題して『深層学習で「体が入れ替わってる!?」妄想カメラを作る!』です。深層学習とか機械学習といった仕事に役立つトピックというわけではなく、いわゆるひとつの「妄想カメラアプリの作り方」です。つまり、アレ。写真機=カメラというものは、現実の姿を写すのではなくて、「撮影者が写したい=あると良いな…と願った姿を写すべきだ!」という気持ちで作ったあのソフト作成方法です。つまり、"as it it is"ではなく"as it should be"な姿を描き出す妄想的な光画装置です。

 Vimファンのあなたに…じゃやなかった、プログラミングを始めようとしている中2男子なら、この記事を読んでみるのも面白いと思います。(今、気付いたけれど、そんな年齢層の読者がいない感じの雑誌だったかも)

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