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2004-08-02[n年前へ]

富士山自転車登頂記 

 自宅から富士山が見える。この季節には、五合目から山頂まで何本も「光の道」が見える。大勢の登山者達の灯りが連なって、「光の道」が見えるようになる。まるで、アリがえさを運んでいるようすを上から眺めている感じだ。
 きっと、あの道を造っている登山者の中にはこんな人もいるんだろう、と思わせる富士山自転車登頂記。自転車をかついで富士登山をする話である。

学生時代はずっと自転車をやっていた。
で始まり、
相棒の上島はその後外務省の外郭団体に就職し、南米のベネズエラあたりで嫁さんをもらい(すごい美人らしい)、その後はどうなったか分からないが、元気でやっているだろう。
で終わる若かった頃の登山エピソードを、写真のアディダスのウィンドブレイカーとともに懐かしい気分で読む人は多いかも。

2007-08-02[n年前へ]

n年前へ 

 from n年前へ.

 学生時代はずっと自転車をやっていた。
 就職して数年した頃、「自分の知識・技術を向上させる機会」や「考えたことを残しておく場所」がほとんどないことに気づきました。
 自宅から富士山が見える。この季節には、五合目から山頂まで何本も「光の道」が見える。
相棒の上島は、その後、外務省の外郭団体に就職し、南米のベネズエラあたりで嫁さんをもらい(すごい美人らしい)、その後はどうなったかわからないが、元気でやっているだろう。
そこで、自分が知りたいことを定期的に学び・考えてみることにしたわけです。
 大勢の登山者達の灯りが連なって、「光の道」が見えるようになる。まるで、アリがえさを運んでいるようすを上から眺めている感じだ。

2008-07-03[n年前へ]

「痛みは一瞬。映画は永遠」 

 "バック・トゥ・ザ・フューチャー"シリーズのメイキング・ビデオが結構面白かった。当時の技術で映像をどのように作っているか、ということも面白かったが、何より面白かったのが、マイケル.J.フォックスが語っていた話である。カンフー映画のジャッキー・チェンさながらに、転んだり・殴られたり・怪我したり……、とても痛いミステイクを数えきれないほど地検したマイケルは、監督ロバート・ゼメキスといつもこう言い合いながら、また次のテイクを再開したという。

 痛みは一瞬。映画は永遠。
 この二人が語った「痛み」は、クロード・モネの「絵を描くことは難しく、苦しい。絵を描いていると希望を失ってしまう。それでも私は言いたいと思っていることをすべて言ってしまうまでは、少なくともそれを言おうと試みた上でなければ死にたくない」という言葉の、「苦しく・希望を失ってしまう」ということと、少し似ている。

 あるいは、山田ズーニーが「おとなの小論文教室」書いていた「自分には紡ぎだせないものでも、それをイメージすることが人にはできる。それが、未知で・独特で・自分で作り出すしかないものだから、他人の水準のものでは納得できないものだからこそ、それを作ることに駆り立てられる。そして、自分が作らなければ「無い」ものだから、その過程で、時に絶望するのだろう」というような文章中の、「時に絶望する」という言葉とも似ている。

 それがどんな形の痛みでも、そんな痛みを感じていても、結局は、何かに駆り立てられものを作りつづける人たちなのだ。

 ものを作るのが好きな人たちは、ものを作り続けることが好きな人たちは、きっと「痛みは一瞬。映画は永遠」という言葉にうなづく部分があると思う。そして、実際には、その「映画」や「その人にとっての映画にあたるもの」は決して永遠ではなく、映画ができた瞬間を過ぎれば、またすぐに作り手も受け手も「次の映画」へと進んでいくということにもうなづくことだろう。そして、実は、それが結構好きなのではないかと思う。ものを作るのが好きな人たちは、ものを作り続けることが好きな人たちは。

 たとえば、苦しい思いをして山に登る人が、その苦しさが癒えないうちに次の登山を夢想しているように、あるいは、上手く動かない・思ったような結果が出ないプログラムと格闘し、なんとか動いた一瞬の喜びを糧に、また次のプログラムを(少なくとも最初の内は)喜々として書き始めてしまうような人たちがいる。それが、ものを作るのが好きな人たちなのだろう、と思う。

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2009-05-23[n年前へ]

登山の下着の科学を「システム」として考えてみたい・・・!? 

  「新しい衣服衛生 」を読んでいると、こんな一節がありました。

 水は1g当たり、たとえば25℃で583calと大量の気化熱を奪う。よく登山のときには羊毛の肌着を着ると良いといわれる。この理由は、濡れた時の熱伝導率がほかに比して小さい*ということと縮れ構造のかさ高性による保温効果もあり、さらに湿感も少ないが、もっとも重要なことは、繊維中最大の吸湿性(20℃,相対湿度65%で16%)があるため、汗をよく吸いとってくれるということ、そして同時にその吸湿時に発生する多大の湿潤熱により加温されるということがある。
この説明には図が付けられていて、布の水分率(%)が上昇すると通常有効熱伝導率(W/m・K)は上昇するが、他の布に比べて羊毛は、全水分率にわたってかなり低い有効熱伝導率であることが示されています。

 ちなみに、湿潤熱というのは、熱測定学会の説明をひいてみると、「浸漬熱(現在では"しんせきねつ"とも読むが"しんしねつ"が正しい読み方)あるいは湿潤熱=DHimmは、固体が液体に浸漬した際の固体表面エンタルピーの消失と、それと同時に起きる固-液界面の生成に伴う固液界面エンタルピー発生によるエネルギー変化により生じ、固体表面のエンタルピーhSと固液界面のエンタルピーhSLの差に等しい(DHimm=hSL-hS)」とあります。

 登山の下着ひとつを考えるだけで、そこには色々な科学が隠れているものだ、と驚かされます。

 ところで、いちばん最初の「登山のときには羊毛の肌着を着ると良い」という説明を読んで、システム・ダイナミクス的に考えてみると、果たして本当に「羊毛の肌着が良い」のかわからなくなったのです。湿度・汗・熱(温度)などを考えた時、果たして「多大の湿潤熱は果たして良いものなのか」がよくわからなくなりました。

 下着を湿らすのは周りの湿気や、登山者の汗だと思います。湿気が高い時、登山者が汗をかいた時、湿潤熱が発生することが良いか・悪いかは、その時の気温にも依存する話のように思えます。汗をかいた時に、ますます熱くなってしまうと、もっと汗をかいてしまうことになり、何だか困るような気がします。その登山中の全過程における、気化熱や周りの気温とのバランス次第で、「多大の湿潤熱」が良い・悪いは変わるでしょう。

 私は気軽な登山はしますが、本格的な登山というものをしたことがありません。発熱や湿度や発汗の関係、あらゆる作用を考えた動的なシステムとして考えてみると、一体「最適な登山の下着」はどういうようになるのでしょうか?



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