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2015-07-05[n年前へ]

「144層のパイ生地」と「誤用としての冪乗」 

 薄く重なったパイ生地が「144層」という数字を聴いて頭の中に「?」マークが浮かんだけれど、なるほど全部で「4つ折りx3つ折りx4つ折りx3つ折り=144層」なのか!
 クロワッサン、デニッシュ、ブリオッシュは「ペイストリー」に分類されますが、“THE PIE & PASTRY BIBLE”によると、その共通点や違いは以下のようになります。
 層の多さは折りパイ、クロワッサン、デニッシュの順。イースト使用の生地は二次発酵させる為に暖かい場所に置く必要があり、折り込みの回数が多いと生地が耐えられない。
・折り込み回数(層の数)は、折りパイ生地:6回以上(729)、クロワッサン:4回(81)、デニッシュ:3回(27)
・折り込みの回数に耐える為、折りパイ生地はグルテンのしっかりした強い生地を作る必要があり、グルテン含有率の高い粉を使ったり、生地をよく捏ねたりする。また、バターが溶け出さないように、焼くまで生地を冷やしておく必要がある。
・デニッシュは生地に卵を含み、折り込みの回数もクロワッサンより一つ少なく、焼き上がりはクロワッサンよりもフレーキーな感じではないが、ふんわりとして柔らかい。

デニッシュの定義って?
 関係無いけど、これも面白い。
 "元来は、単に「冪(べき)」と表現した。「冪乗(べきじょう)」という語は、誤用が定着したものである。 「冪」の文字はもともと「覆う、覆うもの」という意味の漢字であり、江戸時代の和算家は略字として「巾」を用いていた。ところがどちらも常用漢字・当用漢字に含まれなかったことから1950年代以降、出版物などでは仮名書きまたは「累乗」への書き換えが進められ、結果として初等数学の教科書ではもっぱら「累乗」が用いられた。この際、n 乗を取る操作の伝統的名称である「n 乗冪」 と「累乗」が混同され、「冪乗(べきじょう)」という語を生じた。"



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