hirax.net::Keywords::「20世紀」のブログ



2005-01-03[n年前へ]

「左の未来」と「右の正義」 

inside out「ヒーローと正義」「20世紀最後の戯曲集」 「左の未来」で思い出すのは、「英語で右 = rightが-正しい-のと同じく、ドラマにおいて善玉は右・悪玉は左に立ち、ウルトラマンのスペシウム光線も仮面ライダーのライダーキックも、もっぱら右から左へ放たれる」と書く「ヒーローと正義」だろうか。それとも、「右目(right eye = 正しい目)」を失明し「左目(left eye = 残された目)」だけで眺める世界を描く「Right Eye」だろうか。

のこされた私と、のこされた瞳は今日もまた目の前のものだけを見る。君たちと右目の代わりに。それでも、のこされたものは、のこされた瞳でのこされた夢を見つづける義務がある、いや自由がある。あのカメラマンが、それでもシャッターを押したように。あの戦場の光の真下で、悠久の時へ向けて。   「Right Eye」

2005-06-04[n年前へ]

40年前と後の鉄腕アトム 

 1963年に谷川俊太郎が綴った「鉄腕アトム」と、2003年に谷川俊太郎が綴った「百三歳になったアトム」を並べて読んでみる。

空をこえて 星のかなた行くぞアトム ジェットのかぎり街角に 海の底に今日もアトム 人間守って 谷川俊太郎 「鉄腕アトム」1963
懐かしのアニメ1963年 [ザ・20世紀] 1963年は三井三池炭鉱爆発事故が起こり、ケネディ大統領が銃弾を受け暗殺された年。その年から放映され始めたのが「鉄腕アトム」 同じ年に放映されていたのは鉄人28号やエイトマン。

 現実の世界で空飛ぶマイクロ・ロボットが登場し、マンガの中では鉄腕アトムが誕生した2003年に書かれたのが、「百三歳になったアトム」 2003年にあった他のことは、こんな感じ
人里離れた湖の岸辺で、アトムは夕日を見ている。
ぼくには、魂ってものがあるんだろうか。
どこからか、あの懐かしい主題歌が響いてくる。
夕日ってきれいだなあと、アトムは思う。
だが、気持ちはそれ以上どこへも行かない。
ちょっとしたプログラムのバグなんだ、多分。
そう考えて、アトムは両足のロケットを噴射して、
夕日のかなたへと飛び立って行く。

谷川俊太郎 「百三歳になったアトム」2003

2006-04-09[n年前へ]

「春の海」と「春の京都」 

 京都駅で、JR東海・京都キャンペーンポスター10年分を一冊の本にした「そうだ 京都、行こう。」を買う。「『そうだ 京都、行こう。』のこの10年は、20世紀から21世紀への移行の時と重なっています。…嘆いたり、憤慨したり、笑いたかったり、力づけてもらいたかったり、といろいろな人の思いがありました」といった一節を新幹線の中で眺め、その後、春の海を眺める。

「がんばれ」「元気出せ」なんていうよりも……いま、励ましを必要とする人がいたら私なら、ここに連れてきてあげたい、と思います。

  太田恵美 '00

春の海春の海春の海春の海春の海






2006-10-19[n年前へ]

「銀河鉄道999」@20世紀の洞窟の隅 

松本零士氏、槙原敬之に歌詞パクられた - 芸能ニュース : nikkansports.com 槙原敬之の「約束の場所」の歌詞にまつわるニュースを見る。第三者の言葉などを含めて「歌詞の誕生経路」は松本零士のコミック経由かも、と思う。その一方で、松本零士という「作家」はブラウン管とカセットテープと一緒に「20世紀に置いて、21世紀には持っていかない、21世紀の私には要らないもの」という箱に入れよう、とも思う。
 そう感じつつ関連記事を読んで、件の「銀河鉄道999」が21世紀に入ってからの「作品」だということに驚く。読むつもりは全くないが。

外へ外へと向かっていくそういうエネルギーがなかったら、人類はいまだに洞窟の中で暮らしてたんだろうか。  「イラクと幕末」

2009-04-07[n年前へ]

広告が映し出す「時代」や「世相」 

JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」の「はじめに」から。

 「そうだ 京都、行こう。」の(1993年秋からの)この10年間は、20世紀から21世紀への移行の時と重なっています。バブルその後、情報化社会、グローバル化、ナショナリズム、環境問題、癒し、構造改革などなど、時代という言葉のまわりがとてつもなく賑やかでした。大きな地震災害も体験した。嘆いたり、憤慨したり、笑いたかったり、力づけてもらいたかったり、といろいろな人の思いがありました。本書を年代にそって読み進んでいくと、そんな時代や世相も見え隠れします。
 広告人たちは時代の気分に敏感すぎるのかもしれません。



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