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2009-04-07[n年前へ]

広告が映し出す「時代」や「世相」 

JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」の「はじめに」から。

 「そうだ 京都、行こう。」の(1993年秋からの)この10年間は、20世紀から21世紀への移行の時と重なっています。バブルその後、情報化社会、グローバル化、ナショナリズム、環境問題、癒し、構造改革などなど、時代という言葉のまわりがとてつもなく賑やかでした。大きな地震災害も体験した。嘆いたり、憤慨したり、笑いたかったり、力づけてもらいたかったり、といろいろな人の思いがありました。本書を年代にそって読み進んでいくと、そんな時代や世相も見え隠れします。
 広告人たちは時代の気分に敏感すぎるのかもしれません。

2009-10-15[n年前へ]

世の中には「騙す人と騙される人」の二種類しかない 

 堀井憲一郎「若者殺しの時代 (講談社現代新書) 」中の「1989年の一杯のかけそば」から。

 世の中には「自分は人を騙さない。でも人からも騙されずに生きていたい」というムシのいいことを考えてる人が多いこともわかった。僕は、世の中には「騙す人と騙される人」の二種類しかないとおもっている。
1 騙す人
2 騙される人
これで全部だ。どっちかを取るしかない。
 どちらかを選ぶしかない。もちろん騙されるほうに立っても、大きく騙されることもなく生涯を終えられることもあるだろう。騙す側を選んでも、表立って人を騙すことなく、平穏に人生を過ごせる可能性だってある。でもそれは結果である。どっちのサイドにつくかはきちんと自分で決めないといけない。人生の成り行きは自分では決められない。

2009-12-14[n年前へ]

NEWS今昔物語「開発秘話と車と美容」編 (初出2004年12月22日) 

5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと

 いろいろなものを支えるものがあって、未来があるのだろうか、とアルコールを飲みつつ、過去の記事を眺めながら考えました。

コンピュータ科学者から一番感謝を捧げられた人

 コンピュータ科学の論文における謝辞中に「誰が最も登場したか?誰が一番感謝されているか」を調べた研究報告、「コンピュータ科学者達から一番感謝を捧げられている人」を明らかにした研究報告がNature.comに掲載された。その論文中で「他の人から268回感謝され - 科学者達から一番感謝された個人 - である」とされたOlivier Danvy教授曰く「たくさんの人を励ましてきたことが、今回の結果に繋がったのだろう」という。

 「励まし」と「科学」と言えば、二十世紀を代表する偉大な数学者 アンドレ・ヴェイユは自らの体験(ある一人の教授の励ましがあったおかげで科学研究を続け・耐えることができたこと)を振り返り、「若い人が研究を始めたら、たとえ勝算が少なそうに見えても、励ましてやることにしている」と語ったという。今回のニュースは、そんな「励まし」・「支え」の大切さを再認識させられる。

「胸が飛び出す(ブチ切れ)ブラ」と「ビキニの科学」

 昨年11月に英国で発売されたばかりの「女性の胸に深い谷間を作り出すワンダーブラの新商品"Deep Plunge Clearly Daring(向こう見ずで恐れ知らずに深い谷間)"が先月リコールされた。あまりに強力に胸を強く寄せて上げたため、二つの胸カップを前で繋ぐヒモがその力に耐えきれずにプチ切れてしまい、バストがいきなり飛び出てしまうことが相次いだからだという(日本語紹介記事) まさに文字通りの「向こう見ずで恐れ知らずなブラ」である。

 胸を支えるブラジャーの記事を書いているうちに連想したのだが、Bikini Science(ビキニ水着の科学)というサイトが面白い。「おへそ」からビキニ・パンツ上部までの長さが年代を追って変化したようすビキニのトップとボトムの間の露出部の大きさの変化などが歴史的に検証され、各種グラフにされている。グラフを眺めることもに疲れている人も、こんなグラフを眺めるときには、好奇心イッパイの新鮮な気持ちになることができるかもしれない!?

「恋人」から「夫婦」になるにはたった3.3cm進むだけ?

 先月1日、男女600人に対する「歯とハブラシに対する意識調査」結果が発表した。その調査結果によると、『自信を持って他の人に口元や歯を見せられる距離は、「知人」の場合63.7cmであるものが、「同性の友達」になると53.4cmであり、「恋人」ともなると37.9cmになり、「家族」では34.6cmであったという。つまり、相手との関係が深くなるほどその距離が近い』のである。もしもあなたに「自分のことをどう考えているか知りたい相手」がいるのであれば、相手の(自分に対して見せる)口元から自分までの距離を「定規で計ってみる」のも面白いかもしれない(ヘンなヤツだと思われることは確実だが)。

 ところで、その調査結果から、「知人→恋人→家族」という恋の進化・発展過程・距離を試しに計算してみると、「知人(63.7cm)→25.8cm近くへ寄る→恋人(37.9cm)→さらに3.3cm近くへ→家族34.6cm」となる。つまり、知人から恋人までの(近づかなければならない)距離は25.8cm(従来比? 40%近く)にも達するのに対し、恋人と家族(つまりは夫婦?)の違いはたったの3.3cm(従来比? 9%)に過ぎないのだ。「恋人」から「家族」になりたい相手がいるのなら、ほんの3.3cmだけ相手の方へ、少し前へ進んでみると良いのだろうか。

「人を幸せにする科学」と「人が作る未来」

 先月15日、「ITツールを活用することで - 仕事とゆとりある生活との両立 - を実現することができるか」という社内モニター実験を開始する、と日本テレコムが発表した。「家族との時間」「育児と仕事の両立」「ゆとりある毎日」などを、モニターとなる6人の人たちが手に入れることができるのか、とても興味のあるところだ。

 「科学が人を本当に幸せにするのか」という問いは、繰り返し唱えられてきた。だが、結局のところ「21世紀を幸せにする科学」を作り出すのは人自身なんだろう。「先生やお父さんやお母さんが未来をつくってくれると思ったら大間違いです」「未来を何色にするかは、私にかかっている」「今日見た風景の中に、未来を変えるヒントがあるかもしれない」 といった21世紀を担っていく若者たちが未来を描いた言葉を眺めれば、彼らが作る「明日の世界」がおぼろげに見えてくるような気がする。

2010-01-09[n年前へ]

未来を考えるヒント 

 14年前、1996年にに出版された池内了「科学の考え方・学び方 (岩波ジュニア新書) 」のあとがきから。

 本書は、21世紀を担うであろう若い君たちを主にイメージして書きました。…果たして、本当に励ましとなっているかどうか十分の自身はありませんが、君たちが未来を考える上で、少しでもヒントになれば幸いです。

 この本の「はじめに」では、「理科系と文科系」というキーワードが入っている。この本を読み直していると、そんなキーワードをふと思い出した。また、途中、研究者にとっての研究費を得るための話が出てくる。その部分を読む際には、池内了の専門が天文学という”何に繋がるかが問われ、そのことを-確かに-考えているかを問われるはずの”学問であることを考えながら読まなければいけないのではないだろうか、と少し考えた。そして、もうひとつ、21世紀の現代は、すでにアーサー・C・クラークの3法則の3番目「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」時代になっているのではないか、ということがひとつ重要なキーワードなのではないか、という思いが一瞬頭の中に浮かんだような気がした。

 そういえば、今日は、「宇宙に文明をもとめて」という話を、京都大学時計台で聞くことができたようだ。時間が許せば、こっそりと、ホールの片隅で、が語る内容に耳を傾けてみたかったように思う。

2010-03-24[n年前へ]

「贈る言葉」 

昭和の中頃を描いた、西岸良平の「三丁目の夕日」は、もうずっと昔の物語なのだろう、と読む人は誰しも思うのではないだろうか。それなら、「3年B組金八先生」はどうだろう。それも、やはり、昭和の中頃を描いたずっと昔の物語なのだろうか。

 1979年の10月26日から、翌年の春先までの期間、半年にも満たない期間に放映されたのが「3年B組金八先生」だ(第1シリーズ)。その短い期間に、どれだけ密度の高いものが詰まっているように感じたろうか。どれだけの気持ちを感じたろうか。

 「我々もまた、次の世代、そのまた次の世代のために、何か人間が幸せになれるようなことを残さなければならない責任があるのです。そのために諸君は今、受験勉強をやっているわけです。もし東大に入って大蔵省の官僚になれる人がいたら、人間の本当の幸せのために1万円でも多く予算をぶんどってきなさい。大工さんになる者は家族たちの笑い声がいつも絶えないような、そんな素晴らしい家を作ってください。(中略)そしてこの川の流れ込んだ海の向こうでは、受験戦争どころか本当の戦争で傷つき、肉親を失い、食べ物すらない、そんな少年少女たちがいることをお前たちは忘れるな。

3年B組金八先生 第1シリーズ 「第十六話」

 ふと…考える。もう、ずっと昔に「3年B組金八先生」は、前世紀の古い物語になってしまっていたのかもしれない。21世紀になって、すでに十年以上が経っている。時代が「平成」という名前になってから、すでに二十年以上過ぎている。あんな「贈る言葉」を、もう古く感じる時代になっているのだろうか。

 戦後が一段落して、これからバブルが来るっていう第2シリーズの頃が、一番いい時代だったのかもしれないね。

「”≠腐ったミカン”加藤優」を演じた「直江喜一」



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