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2016-02-20[n年前へ]

フェルメールが描いた「地球儀」「天球儀」をペーパークラフトで作ってみよう!? 

 昨夜、五反田DNPミュージアムラボで開催中のBnF × DNP ミュージアムラボ 『フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展』を観ました(フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展』は面白い!)。これは、これまでの歴史の中で、さまざまな貴重な「地球儀や天球儀」を大日本印刷(DNP)がデジタル・スキャニングして、それらの3Dデータをさまざまな方法で展示するとともに、オリジナルも並べて眺めることができる。…たとえば、17世紀のオランダ画家ヨハネス・フェルメールが「地理学者」や「天文学者」で描いた「地球儀」や「天球儀」を眺めることができる…という素晴らしいものでした。

 その展示が、あまりに新鮮で楽しかったので、今日はこんなことをしてみました。まず、DNPがスキャンしたデジタルデータを3D的に(WEBブラウザ上で)眺めることができるフランス国立図書館(BnF)のデジタルアーカイブサイトGallicaにアクセスします、するとブラウザを介して、自分のコンピュータの中に(DNPが作成した)デジタルデータが保存されます。このデジタルデータを使って、たとえば、フェルメールが描いた「地球儀」や「天球儀」を正六面体のペーパークラフトとして、自分の掌の上に乗せて眺めることができるようにしてみました。ペーパークラフト作成用PDFはこちらです。*(「組み立ててみたよ!」という奇特な方がいらっしゃいましたら、組み立てた写真を「展示用」に送って頂けると嬉しいです。)

 ちなみに、フランス国立図書館(BnF)のデジタルアーカイブサイトGallicaでのWEB表示では、地球儀や天球儀の3次元形状も(その3次元データが使われている効用をWEB表示上で識別することは困難ですが)用いられています。そこで、フェルメールが描いた地球儀の形状を3次元的に眺めてみると、たとえば右のようになります。紙を貼り合わせて作ったことによる、表面の凹凸などが手に取るように感じられるかと思います。

 つまり、Gallicaからは3次元的な形状や色に関するデジタルデータを手に入れることができるわけです。それらのデジタル・データを使えば、たとえばヘッドマウントディスプレイやデジタルプラネタリウムでバーチャルリアリティ表示をして眺めることもできるでしょうし、フルカラー3Dプリンタを使うなら、オリジナルと似たようなものを自分の手元に複製品として作り出すこともできることになります。…さてさて、「色々やってみたい!」と思いませんか?**


*テクスチャの座標変換は”ざっくりと”行ったので、適切な位置でない部分もあるかもしれないですが、正六面体として表す程度には問題無いと思います。キューブマッピングするテクスチャデータを幾何学変換して、正二十面体展開による精密バージョンのペーパークラフトなどを作ってみるのも、面白そうですね。
**このデータを使って3Dコンピュータグラフィクスレンダリングした結果は「天球儀」宇宙に浮かぶ「ホンディウスの地球儀」になります。


ライクスミュージアムの「作品画像は自由に使っていいよ。うちはオリジナルがある」という話。…だけど、将来は違うんじゃないかな、と思ってる。作品”画像”データが遙かに詳細にできる数年先の未来、多分「作品”画像”」は強く流出防止管理される。(twitter
「数年後のWEB美術館の細かな実装方法」に個人的な興味がある。微細な三次元形状やSV-BSSRDF程度なら、数年後には測定することができるようになっているだろう。その時、それをWEBで表示する実装は「どうやるだろうか?」 (twitter
ひとつは(データ圧縮や必要部分送信といった細かい方法はさておき)3DデータとSV-BSSRDFをクライアントに送信し、デバイスやインタラクションに応じてクライアント側で表示するというやり方だ。しかし、この方式は… (twitter
しかし、この方式は「3次元構造や見た目を復元するに十分な情報をローカル保存することが可能」となる。数年後の未来には、そのデータがあれば、(それが中国か世界のどこかはわからないけれど)出力できるプリンタもあるだろう。すると… (twitter
…そんな時代に、ライクスミュージアムは、「データは自由に使っていいよ」戦略をとるだろうか。それとも、(おそらくどこかの企業が提供するだろう)囲い込みクライアントソフトを使い、クライアント側にデータが渡らない表示方法をとるだろうか?(twitter

2016-02-21[n年前へ]

「天球儀」宇宙に浮かぶ「ホンディウスの地球儀」 

 五反田DNPミュージアムラボで開催中のBnF × DNP ミュージアムラボ 『フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展』で展示されていたデジタルデータを操作できるようになったので(参考:フェルメールが描いた「地球儀」「天球儀」をペーパークラフトで作ってみよう!?)、今日は宇宙に輝く「星座を描いた天球儀」空間の中で、ぼんやりと浮かぶ「ホンディウスの地球儀」のさまを、レンダリングして眺めてみることにしました。

 かつて、天に浮かぶ星空は、(人間が観察する程度の時間レンジなら)その位置を全く変えないことから、神に近い「完全」な「球」な世界だと考えられていたと言います。それに対して、人間が暮らす世界は完全からはほど遠く、だから『地球には(球とは形状的に大きな違いがある)山や谷といった凹凸がある』と考えられていたといいます。…そんな歴史背景も踏まえて、こんな動画を眺めてみると面白いかもしれません。

「天球儀」宇宙に浮かぶ「ホンディウスの地球儀」






2016-04-10[n年前へ]

フェルメールが描いた「天球儀」の中に没入して、その宇宙に浮かぶ「地球儀」を眺めてみよう!? 

 17世紀のオランダ画家ヨハネス・フェルメールが「地理学者」や「天文学者」で描いた「地球儀」や「天球儀」が展示されているBnF × DNP ミュージアムラボ 『フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展』(五反田DNPミュージアムラボ)の、大日本印刷(DNP)がデジタル・スキャニングした3Dデータはフランス国立図書館(BnF)のデジタルアーカイブサイトGallicaにアクセスすると(そしてゴニョゴニョすると)、自分のコンピュータの中でも使えるようになります

 今日は、フェルメールが描いた「天球儀」の中に地球儀」を浮かべた上で、その世界の中に自分が入り、(ヘッドマウントディスプレイである)Oculus Riftで眺めてみました。下に貼り付けた動画は、過去の天球儀と地球儀の世界に入り込み(没入し)、Oculus を被った私が眺めている世界をWindow表示している映像例です。下の動画では、没入している感覚はありませんが、Oculusで眺めている本人は、左右視差の立体表示で眺める全方向に…過去の宇宙や地球(世界)が目に見え・没入している状態です。

 過去に生きた人たちが考える世界(Armillary sphere)の中に没入し、その宇宙に浮かぶーその時代に考えられたー地球の姿を近くから、あるいは遠くから眺めるのは…とても楽しい体験です。

 五反田DNPミュージアムラボでも、天球儀の中に入るVR展示はしていますが、こんな風に視点を変化させて眺めることはできなかったり、地球儀を同時に眺めたりすることはできません。…というわけで、フェルメールが描いた「天球儀」や「地球儀」を体験してみたい人は…フランス国立図書館(BnF)のデジタルアーカイブサイGallicaにアクセスしてデータをゴニョゴニョするのが良いかもしれません。



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