1998-12-28[n年前へ]
■本歌取 1998 
1999年の夏休み
まもなく、1999年だ。1999年というとノストラダムスも有名だが、結構好きな映画に「1999年の夏休み」というものがあった。これを振り出しにして、双六のように考えてみる。
「1999年の夏休み」
金子修介監督の映画だ。不思議な雰囲気の映画だ。原作は萩尾望都の「トーマの心臓」である。そのまた元を辿ると、同じく萩尾望都の「11月のギムナジウム」に辿り着く。つまり、萩尾望都「11月のギムナジウム」 -> 萩尾望都「トーマの心臓」 -> 岸田理生(脚本)「1999年の夏休み」となる。-> 金子修介(映画)「1999年の夏休み」
これは、ある本歌に対して、それを翻案したものが連なっているように見える。本歌取が連なった連歌に見える。だから、それぞれ単独で楽しんでもいいが、どのように変わっていったか、などを楽しむのもいい。
「1999年の夏休み」については
「AngelHouse」( http://www2s.biglobe.ne.jp/~sgsc793/index.htm )
「こどものもうそう」( http://www.asahi-net.or.jp/~IH9K-YNMT/ )
などが詳しい。
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この中で、薫という登場人物が登場するが、エヴァンゲリオンに出てくるカヲルはこれに影響されているのではないか、という話が先のWEBに出ていた。底が浅いTVに興味はないが、最後の方で登場する人物の名前が「薫」というのは源氏物語の昔に溯る。それは、日本で初めての物語からの伝統なのである。源氏物語の本歌取といっても良いだろう。「薫」という名前を持つ人物を考える際には、源氏物語の「薫」の役割を意識するべきである。最後に物語の全てを背負い、繋げていく役割を背負うのは「薫」なのだ。この本歌取を意識する読み方は、記号論に通じる。
同じ「薫」が登場するミステリィというと、栗本薫の作品群があるが、特に栗本薫の「猫目石」を読む際には源氏物語の「薫」を意識しなければ意味がないと思う。また、ミステリィ作家で「薫」の名前を持つ人は多い。
- 北村 薫
- 栗本 薫
- 高村 薫
「1999年の夏休み」と同じ金子修介脚本監督の映画として、「毎日が夏休み」がある。こちらは、大島弓子が原作だ。この場合は
大島弓子「毎日が夏休み」 -> 金子修介(脚本)「毎日が夏休み」 -> 金子修介(映画)「1999年の夏休み」
となる。
次に、深津絵里繋がりで(ハル)に移る。
(ハル)
深津絵里はこの映画にも出ていた。 オープニングの雰囲気は「1999年の夏休み」に似ている。どちらも、映画の重要な要素である画像を(ある意味で)使わず、表現をしているというのがいい。登場人物も非常に少ない。表現は制限をかけてこそいいものができると思う。完全に自由な中にはなかなか良い物ものは生まれない。それは、選択肢が増えすぎると、人は良いものを見つけるのは困難だからかもしれない。この映画の内容はパソコン通信関係だ。
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深津絵里の眉毛はまだ太くて良い。
HOME-TOWN EXPRESS
JR東海のCMというとクリスマスエクスプレスの印象は強いが、第二回目の牧瀬理穂の回しか覚えていない人も多い。しかし、第一回目の深津絵里が演じたHOME-TOWNEXPRESSのクリスマスバージョンが一番良かった。HOME-TOWN EXPRESSはその他にも良いものがたくさんあった。クリスマスエクスプレスになって第二回目の牧瀬理穂の回は、「最後にプレゼントを持って柱の後ろで恋人を待ち、その向うに恋人がいる」ところなど、第一回目の回に対する返歌にも見える。JR東海とくると、萩尾望都関連で「半神」の夢の遊眠社のステージをCMに使っていたものもあった。これなども連歌であり、本歌取の繋がったものである。
ブラッドベリ「霧笛」 -> 萩尾望都「霧笛」 + 萩尾望都「半神」 -> 野田秀樹「半神」 -> JR東海「もっと私 CM」
となる。
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| HOME-TOWN EXPRESS 1988 帰ってくるはずの恋人がホームに降りてこない。と、思うと柱の向うからプレゼントを持った恋人が現れる。 | 「そんな音をつくってやろう...」 |
最近、NODA MAPの「半神」に深津絵里が出る、と聞いた。これで、深津絵里を狂言回しとして、物語は一周したことになる。
そういえば、深津絵里は「虚無への供物」のTVドラマにも出ていた。あのTVを見た人に、原作の「虚無への供物」の面白さがわかるだろうか...
虚無への供物といえば、連歌はこうなる。
中井英夫「虚無への供物」 -> 竹本健二「匣の中の失楽」
というわけで、「匣の中の失楽」を読む前には「虚無への供物」を読まなければならない。「虚無への供物」の中の「どちらが現実で、どちらが架空の世界なのか、誰がわかる?」という訴えを、そのまま展開したのが「匣の中の失楽」である。「匣の中の失楽」に連なるミステリィ物もあるようだが、問題外としておく。
ここ2,3年は、まるで「虚無への供物」の舞台のような年であったように思う。何が現実で何が架空なのか。
2000-01-03[n年前へ]
■音場の定位を見てみたい 
立体音感を考える その2
前回(といっても間に他の話も挟まっているのだが)、
で「音の立体感」について考え始めた。今回はその続きである。「音の立体感」を考えるための道具を作る準備をしてみたい。色々なことを考えるには、その目的にあった測定器が必要である。何か新しいことをしようと思ったら、そのための新しい測定器を作成しなければならない(と思うだけだが)。そして、何より私は計測器なんてほとんど持っていない。だからといって、計測器を買うお金があるわけではない。というわけで、困ってしまうのだ。
そこで、立体音感を考えるための測定器を作っていくことにした。といっても、すぐにできるとも思えないので、色々実験をしながらボチボチとやってみることにした。勉強がてら、ボチボチやってみるのである。オーディオ関連のことにはかなり疎いので勉強にはちょうど良いだろう。
資料をいくつか眺めてみたが、特に
- 「立体視の不思議を探る」 井上 弘著 オプトロニクス社
- 音像定位の因子
- 両耳差因子 (音響信号)
- 音の強さ(振幅)の差
- 位相の差
- 周波数スペクトル因子
そこで、いきなりだが今回作成した解析ソフト「音場くん一号」のアルゴリズムは以下のようになる。
- PCのサウンド入力から、サンプリング周波数 22.05kHz、Stereo 各チャンネル8bitで取り込みを行う。
- 取り込んだデータを4096点毎にウィンドウ(Hamming or無し)処理をかける。
- 高速フーリエ変換(FFT)を行う
- FFTの結果の実部について、左右のチャンネルの差分を計算する
次に示すのが、「音場くん(仮名)一号」の動作画面である。「音場くん(仮名)一号」の画面構成は、
- 右側->制御部
- 左側->計測データ表示部
- 音声波形データ(赤=左、緑=右)
- 周波数(横軸)vs左右での音圧の差(縦軸)
- 時間(横軸)vs周波数(縦軸)vs左右での音圧の差(色)
![]() (黒字に赤、緑の色構成は変更の予定) |
計測データ表示部の拡大図を下に示す。
- 音声波形データ(赤=左、緑=右)
- 周波数(横軸)vs左右での音圧の差(縦軸)
- 時間(横軸)vs周波数(縦軸)vs左右での音圧の差(色)
この表示計の意味を例を挙げて説明したい。例えば、下の画面では左の方に定位している音が鳴ったときの状態を示している。一番上の音声波形データでは緑(右)の波形は小さいのに対して、赤(左)の大きな波形が見えている。
また、真ん中の「周波数(横軸)vs左右での音圧の差(縦軸)」では横軸100(任意単位)程度の高さの辺りで左チャンネルに位置する音が発生しているのがわかる。
また、一番下の「時間(横軸)vs周波数(縦軸)vs左右での音圧の差(色)」では時間的に一番最後(横軸で右側)の方の横軸560、縦軸100位の位置に白い(すなわち左チャンネルに定位する)音が発生しているのがわかると思う。
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この曲のイントロでは、「ポンッ」という音が高さを変えつつ、左右にパンニング(定位位置を変化させること)する。
一番下の「時間(横軸)vs周波数(縦軸)vs左右での音圧の差(色)」を示したグラフ中で白・黄色(左に定位)と青・黒(右に定位)する音が時間的にずれながら現れているのが判ると思う。
このようにして、この「音場くん(仮名)一号」では音の定位状態についての「極めて大雑把な」計測が可能である(保証はしないけど)。「音場くん(仮名)一号」を使った他の例を示してみる。
下は種ともこの「O・HA・YO」の中から「The Morning Dew」のイントロ部を示したものだ。
- 左(白・黄)チャンネル方向に定位するピアノ
- 右(黒・青)チャンネル方向に定位するガットギター
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これはまるでオルゴールのピンを見ているようだ。あるいは、シーケンサーや昔の自動演奏ピアノのロール譜のようである。対位法などの効果をこれで確認したくなってしまう。
さて、ここまでの例は楽器も少なく、比較的自然な定位状態であった。しかし、以下に示すような場合には不自然なくらいの「音の壁」状態の場合である。かなり状態が異なる場合だ。
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これは、種ともこの「O・HA・YO」の中から「KI・REI」のラストのラストコーラス部を示したものである。人のコーラスが重なり合っていく部分である。色々な高さの声が重なり合っていく様子がわかるだろう。
ところが、このグラフをよくみると、同じ音が時間的に持続しているにも関わらず、時間毎に定位位置が左右で入れ替わっているのがわかる。
これはきっとエフェクターで言うところのコーラスなどをかけたせいだろう(素人判断だけど)。人工的にフィルタ処理をしているためにこのようになるのだろう。こういう結果を見ると、「音場くん(仮名)一号」をプログレ系の音の壁を解析してみたくなる。
さて今回は、音声の定位状態を解析する「音場くん(仮名)一号」を作成し、いくつかの音楽に対して使ってみた。まだまだ「音場くん(仮名)一号」は作成途中である。これから続く立体音感シリーズとともに「音場くん(仮名)」も成長していく予定である。
さて、一番先の画面中に"Re"という選択肢があるのがわかると思う。もちろん、これと対になるのは"Im"である。FFTをかけた結果の"実部"と"虚部"である。"実部"の方が左右の耳の間での音の大きさの違いを示すのに対して、"虚部"の方は左右の耳の間での位相差を示すものだ。つまり、ある周波数の音が左右の耳の間でどのような位相差を示すものか、測定しようとするものである。
左右の耳に対する音の位相差というものは、立体音感を考える上では避けては通れないのだろう。しかし、位相差を処理しようとすると、どうしたらいいものかかなり迷う部分がある。また、今回のようなFFT処理をかけたときに得られる位相を用いて良いものかどうかもよくわからない。というわけで、今回は位相解析処理は後回し、ということにした。
2000-01-31[n年前へ]
■落ちゆくエレベーターの中…で悩みます? 
無重力の理想と現実(仮)
今日もまた「ちゃろん日記(仮)」を読みに行くと、何とも面白い話があった。
である。この「ちゃろん日記(仮)」は「疑問とそこに隠れている真実を見つけだす感覚」に満ち溢れている、と私は思うのである。面白すぎである。さて、今回の話は、エンパイアステートビルでエレベーターが落ちたっていうけど、落ちていくエレベーターの中の人は
- 床に張り付く
- 天井に張り付く
- 宙に浮かぶ
「ほんとう〜にそうか? ほんとう〜にそうか?」
こういういかにも教科書に載っていそうな話には、時として落とし穴がある。教科書に書いてあるのは理想的で単純化した場合の結果である。それを鵜呑みにすると間違えてしまうことになる。極端に言えば、教科書に書いてあるような理想的な状態はほとんど存在しないので、教科書に書いてあるような現象はそうそう再現しない、ということになる。
ピサの斜塔から「落下の実験」を行ったのはガリレオ・ガリレイであると思っていると間違いである、というのは少し違う例になってしまうか。
久しぶりに思い出したが、私の所属していた研究室では重力測定は大きな柱であった。そして、確か大学院の入試問題の内の一題は、まさに
「落ちていくエレベーターの中の人達に働く力を精密に論ぜよ」であった(簡単に大雑把に言えば)。私はちゃんとこの問題を解けた覚えがない。いや、はっきり言えばずいぶん悩んだ覚えしかない。ってことはいまいち解けなかったのだろう。なので、「落ちていくエレベーターの中の人達は無重力状態である」と聞くと、「ほんとう〜にそうか? ほんとう〜にそうか?」と歌いたくなる。
研究室関連では、絶対重力測定を行う研究をする人達もいたわけである。絶対重力(加速度)測定は自由落下する物体の運動を測定して、重力加速度を測定するわけであるが、そう簡単に物体は自由落下してくれないのである。簡単な実験で物体を自由落下させて重力加速度を測定してみるとわかるが、大雑把な実験(自分の家ですぐできる程度の)では一桁ちょいの精度しか出ない。一桁ちょいの精度しかでないということは、(例えば)体重が10%弱程度になったように感じるかもしれないが、それは無重力ではない。体重が60kgの人であれば、6kgも感じてしまうのである。(雑な話だが。)
空気中を落ちてくる雨だってそうだ。もし、雨が自由落下を続けていたらものすごいスピードになって、雨に打たれるのは命がけになってしまう。しかし、実際にはそんなことはない。空気抵抗で速度は飽和してしまい、自由落下状態ではないからである。
さて、本題である。果たして、
例えば、
- 若井研究室の研究概要
- http://mech.gifu-u.ac.jp/~wakailab/research/Basic/base_h.html
北海道の上砂川町にある施設(JAMIC)で、490m落下させることにより、10秒の無重量環境が得られます。落下中は空気抵抗を受けるので、落下カプセルを二重構造にし、空気抵抗を無視できるように工夫してあります。と、記述されているように、実際には工夫をこらさなければ無重力状態は実現できないのである。絶対重力系などでも空気抵抗を無視するために、投げ上げて往復運動を測定するなどの工夫がいるのである。
と、言葉だけで書いてもしょうがないので、適当な計算でもしてみる。いや、もちろん、実験をするのが良いわけであるが、面倒だし…
まずはエレベーターには、
- 何の抵抗も働かない
- 空気抵抗とワイヤーの抵抗が働く
そして、エレベーターの中の人には空気抵抗は働かないとした。エレベーターの中の空気と人の速度差はほとんどないからである。また、エレベーターは人よりもはるかに重く、人の重さはエレベーターの運動に何の影響も及ぼさないと近似した。
その計算の結果を以下に示す。これが落ちていくエレベーターの軌跡である。抵抗のない場合が(赤)で抵抗のある場合が(青)である。エレベーターが落ち始めてから30秒後までの軌跡である。
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理想的な場合(赤)に比べて、抵抗のある場合(青)の落ち具合が鈍っているのがわかると思う。それでは、もっと時間が経った場合はどうだろうか?それを次に示す。エレベーターが落ち始めて300秒後までの軌跡である。つまり、五分間もこのエレベーターは落ち続けているのである。落ちた距離は理想的な場合で40kmの深さに達している。すごいエレベーターである。こんなに落ち続けていると、すでに重力加速度が一定とは言っていられなくなる。
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ここまでくると、抵抗のない場合(赤)と抵抗のある場合(青)では全然違う軌跡になっている。抵抗のない場合(赤)では放物線そのものであるが、抵抗のある場合(青)では一定の速度になっている。
それでは、エレベーターがこのような状態になった時の、エレベーターの中の人に働く加速度(と実際の加速度の差分)を示してみる。これを見れば、落ちていくエレベーターの中の人が無重力状態であるかどうかがわかる。まずは、300秒後までの変化を見てみる。
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理想的な場合(赤)はずっとゼロすなわち無重力状態であるが、抵抗のある場合(青)は無重力状態は最初だけで、50秒後位には通常の状態に戻ってしまっている。最初の部分をもう少し拡大してみる。次に示すのは、3秒後までの落ちていくエレベーターの中の人に働く重力加速度(と実際の加速度の差分)である。
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これを見ると、あっという間に人は無重力状態ではなくなっているのがわかると思う。
というわけで、先の三つの選択肢、
- 床に張り付く
- 天井に張り付く
- 宙に浮かぶ
先日みたニュースのエレベーター落下実験の中で、中にいた男性リポーターが、落下しながら「ひぃ?」とアオ向けになった状態で床にハリ付いていたからなのです。という実際の現象が正しいのである(いや、もちろん状況はかなり異なるが)。「頭の中だけ」で考えたことというのは大抵の場合間違ってしまう。(もちろん、今回の「できるかな?」の話もその例外ではない)
そして、その後に、
ありはきっと、速度がそこまで充分でなかったのと、もしやのトキのために、男性リポーターに安全な姿勢をとらせていたタメだと思われます。とあるが、実際問題として「速度がそこまで充分」になることは未来永劫ないわけである。だから、(私の中では)エレベーターの中の男性リポーター氏は床から浮かぶことはないのである。
こういうのは、結局考える人の数だけ答えがあるのだと思う。もし、その内のどれが真実に一番近いかどうか知りたければ、実験すれば良いだけの話だし。
2000-11-19[n年前へ]
■間違いだらけのカラープリンター選び 
もういくつ寝るとお正月
今年はずいぶんと夏が長かった。もう11月になっているにも関わらず、ほんの数日前まで少し暑いくらいでは夏の終わりといっても良いような天気が続いていた。ところが、数日前に急に寒くなった。もう正真正銘の冬が訪れたようである。
冬が始まり今年もあとわずかとなれば、安いインクジェットのカラープリンターが飛ぶように売れる季節だ。もちろん、家で年賀状をせっせと印刷し始める人達が多いからである。安いカラープリンターを買って、家が小さな小さな印刷工場に変わるのである。それはまさに家庭内手工業だ。
家庭内手工業という響きを聞くだけで、誰しも「安い賃金で汗水流す家族」が頭の中に浮かぶことだろう。もちろん、この正月を控えた「小さな小さな印刷工場」もその例外ではないのである。子供が家にいる家庭であれば、子供達に宛名書き(最近なら宛名入力か?)やプリントアウト作業をほとんどタダのような賃金でやらせている親は多いのである。例えば、一枚プリントアウトするごとに10円というくらいの賃金で子供に作業をやらせていたり、それどころか一枚数円位の賃金体系の家庭だってあるハズである。それは、企業が安い賃金で雇える労働力を求めてアジア・アフリカ諸国へ工場を移していくのと瓜二つである。
実際のところは、子供の方も「そんなタダのような賃金」でも何も考えずに喜んでやるとは思うのだが、親からすればそれは実に便利なパシリなのである。もちろん、そのタダのような賃金の値上げを求めてスト決行する子供がいても面白いと思われるかもしれないが、そんな向上心溢れる子供達には親から教育的指導がすかさず入ってしまい、賃金値上げはそうそう行われるわけはないのだ。現に私も幼い頃にはそんな内職をしていたわけだが、少しは知恵がついて向上心に突き動かされ(もう少しおゼぜが欲しくなって)
「アンタ以外にも働きたい人はいるの。」
話が脱線した。とにかくこの時期には、年賀状印刷のためにカラープリンタの購入を考える人達は多く、プリンター関連の情報が集まる場所、例えば
などのような場所では、「プリンターは何が良いですか?」とか「エプソンとキヤノンとhpのどのプリンターが良いのでしょう?」というような質問を数多く見かけるようになる。そして、その質問の中でもよく登場するカラープリンターがこの二機種である。エプソンPM900CとキヤノンF870だ。もちろん、もうひとつメジャーどころとしてhpもあるわけだが、写真画質を重視していないのと、日本ではまだそれほど強くないこともあって、年賀状プリントなどの用途ではあまり選択肢には入らないようである。![]() http://www.i-love-epson.co.jp/products/ printer/inkjet/pm900c/img/pm900c.jpg | ![]() http://www.canon-sales.co.jp/ Product/BJ/img/f870.jpg |
この二機種はパンフレットも何か対照的で、少なくとも私はキヤノンF870のパンフレットは好きではない。夏までのラルクを表紙にあしらったパンフレットの方がずっと華やかで良かったと思う。寸前までGlayを使う予定だったのに、わざわざラルクに変更したというくらい(名前を考えれば実に賢明な選択である)だったのに何故「黒ずくめ」の中田に変えたのだ…
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まぁ、そんな気持ちはさておきパンフレットを眺めていると、あることを確かめたくなった。それは、エプソンPM900Cの売り文句の一つである"EpsonNatural Color"である。エプソンのWEBの情報によれば、
エプソンのカラー技術が目指すべきもの。それは、ナチュラルな色の再現でした。新カラリオは、モニタ上の色域制限(sRGB)にとらわれずに、自然界の色により近いカラープリントを実現する新画像処理技術「EPSONNATURAL PHOTO COLOR(エプソン・ナチュラルフォトカラー)」を搭載。モニタに映る色ではなく、あくまで人の目に映る自然の色をプリントすることにこだわりました。写真に収めた美しい思い出を、あの時の感動を、カラリオなら記憶のままに忠実に再現。と書いてある。つまりは、「CRTモニタや液晶モニタでは出ない色(の一部)をPM900Cでは出力するようにしましたよ」ということである。「これまではモニタで見た色と同じような色を出力するようにしていたから、モニタで出ない色はプリンターでも出力していなかったのだけれど、モニタと同じでなくても自然の生の色に近い方を出力するようにしましたよ」ということだ。ビールも色も「生」に限る(byわきめも)わけで、結構カッコ良い割り切りかたである。あくまで「人の目に映る色」がホントの色で、「モニタ上で表されるRGBの色」なんかニセモノなのだぁ(少し大げさ)、という主張が込められているようで面白いと思う。「モニタで確認した色が出ない」とか言われることはもう覚悟の上なのだろう。
といっても、エプソンPM900Cがホント〜にそんな出力をしているのかどうか、実際に確かめてみなければよく判らないだろう。といっても、私の家には実はプリンターは一つもない(家でプリンターを触るのはちょっとイヤだから)ので「実際に」確かめるわけにはいかない。そこで、
の時と同じくプリンタードライバーが使う、「カラープロファイルファイル」の中を覗いてみることで、それぞれのプリンターが出力する色の範囲を調べてみることにした。出力できる色空間が広いことを謳うPM900Cがホント〜に多くの色を出力できるかどうかを確かめてみるわけだ。「実際に機械を使わずしてどうするのか」と言われるような気もするが、ネットで手に入るモノだけを使ってプリンターの性能を推理してみるのもたまには良いのではないだろうか。 というわけで、エプソン・キヤノン各社のドライバーをダウンロードしてきて、それぞれのICCファイルの中に書かれている出力可能な色空間をab平面で表したのが次の結果である。
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この結果を見ると、確かに若干ではあるがPM900Cの方がF870よりも出力できるab色平面が広いように見える。といっても、この図では見づらいと思うので、この二つを重ねて、
- PM900Cの方だけが出力できる範囲を白
- F870の方だけが出力できる範囲を黒
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ナルホド、確かにエメラルドグリーンというような色の辺りでPM900Cには出力できるけど(少なくともICCファイル上は)、sRGB・F870にはその色は出せないという領域もあるようである。そして、さっきのパンフレットをもう一度眺めてみると、確かにその色をパンフレットのメインの色としてあしらっていることがよくわかるだろう(ホントかいな?)。このエメラルドグリーンの服は伊達ではないのである。黒ずくめの男を表紙に使ってるのとは大違いの素晴らしさである。
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さて、もちろん言うまでもないと思うが、今回の色空間の広さ競争はまさに「間違いだらけのカラープリンター選び」である。何しろ、実際のプリントアウトをしていないのである。いや、もちろんこれらのプリンターを使ったこともちゃんとあるのではあるが、事情によりその出力結果はここでは言うわけにはいかないのである。きっと、それを書いたらX○△×(以下省略)
ところで参考までに、、写真画質がある程度固まった機種のエプソンのPM750Cと最新機種であるPM900Cの比較を比較してみた。PM750Cに比べて、着実にPM900Cの出力できる色空間が広くなっている。プリンターの技術の進化具合がちょっと実感できたりするのではないだろうか?(ホントかウソか知らないけれど)
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ここまでテキト〜に書いてみたが、これを読んでいる人の中でホントにちゃんと選びたいというような人がいるのなら、何より自分で実際に使ってみるのが一番だと思う。そうすれば、自分の必要と経験に応じた機種が必ずや手に入るハズだ。あと、広告が入りまくりのPC雑誌の評価はあまり参考にならないと思うなぁ。
2001-02-28[n年前へ]
■ぼくらの気持ち 
昨日の夜、ある選択をするためにぼくらはテーブルを囲んでいた。良くも悪くも、いやはっきり言えば、どの選択肢もどれも頭を抱えたくなるくらい良くないのだが、ともかくその中から一つを選ばなくてはならなかった。
そこで、「せぇーの!で自分がいいと思うものを指差してみません?」と言ってみた。その「せぇーの!」の結果、ある一つの材料の上でみんなの指が重なっていた。
その深夜、「あれ、まるで試合前にみんなで掌を重ねるアレみたいでしたね。」と話していた。こんな最高のチームはもう絶対ないだろうな…





















