hirax.net::Logos::2011-05-21

2011-05-21[n年前へ]

「山手線20周の旅」を支える「京浜東北線快速技」 

 六角橋商店街の闇市で買った「野宿野郎」というミニコミ誌(急いでつくった)3号の「山手線始発から終電まで20周」から。鉄分100パーセントな、鉄郎・鉄子にはたまらないエピソード。

 山手線とは都心にある環状線の路線である。一周約1時間29駅、距離は35km。環状のために、乗ったら自発駅に降りない限りぐるぐる回り続けるのだ。誰が考えたか知らないが、始発から終電まで乗り続けるとどうやら20周できるらしい。…(丸一日かけた)全移動距離700km、実際の移動距離は0kmの旅。
 (トイレに行きたくなったら)役立つ先人の知恵が京浜東北線快速技だ。京浜東北線は山手線と併走するくせに、駅をいくつか抜かして走るナイスな路線である。田端辺りで山手線を降り・階段を駆け上がり用を足す。そして再び階段を駆け下り今度は京浜東北線に飛び乗るのだ。そうすると東京辺りで元の山手線の車両まで追いつけるという寸法だ。

 「人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実を極めることもなく、…まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかしおよそ酔狂な奴でなくてはしそうにないことを、やりたかったのだ」という「深夜特急」で沢木耕太郎が書くアジテーションにワクワクさせられる人、そんな人は「全移動距離700km、実際の移動距離は0kmの旅」に魅入られると思います。