hirax.net::Keywords::「透視」のブログ



2009-12-28[n年前へ]

NEWS今昔物語「瞳を開いて眺める」編 (初出2005年06月23日) 

5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと

 「未来を予測し・未来を少し操作するような作業」をする、と言えばカメラの赤目防止機能も、考えてみれば、そんな作業です。フラッシュを光らせた時に、瞳が赤く写ってしまわないように、フラッシュを使って写真を撮る前に予備発光を行ない被写体の瞳孔を閉じさせた次の瞬間に、本番のフラッシュを光らせ写真を撮る、というわけです。意外に、そういった技術は、身の回りに隠れていて、私たちはいつの間にか少し操作されているのかもしれません。

(記事を書いた時の)ひとこと

 液晶画面をペンで操作することができる(もちろん、キーボードでも操作できる)Tablet PCを使い始めた。すると、「マウスで操作する」という作業が「ペンや自分の手を使う作業」のフェイク(偽物)に過ぎなかった、ということに今さらながら気づかされた。未来のPC、そのPCを扱うユーザ・インタフェースは一体どんな風に変化していくのだろうか

トランプ・カード透視術

 6月1日、(自分から見るた時に)裏向きのトランプのカードを透視し、どんなカードであるかを見分けてしまうことができる技術がNewScientist.comに掲載された。7月31日から開催されるSIGGRAPH2005で発表予定の資料(">全文PDF)を読むとわかるように、他の物体に跳ね返る(自分からは見えない)カードの表面からの反射光の色や量を逆算することで(結果として)カードの表を透視できる、という技術である(日本語参考記事)。

 デモンストレーションの動画(MP4形式 63MB)の後半(4分20秒辺りから)を眺めてみれば、その技術の楽しさ・面白さに見とれてしまうと思う。

みんなが笑顔の「ベストショット検出技術」

 大学生の頃、写真館でアルバイトをしていた。仕事の大半は、結婚式の記念写真を撮影する仕事である。結婚式の集合写真を作成する時、(気をつけて何枚か写真を撮るのだが)瞳を閉じ気味であったり、閉じてしまった人がいることがある。そんな時には、極細筆を使い目を閉じている人の瞳を(他の写真を参考にして自分の手で)描いたものである。

 そんな新技術が5月末から、各種メディアで紹介された。電気通信大学院 電子工学専攻の金子研究室の「ベストショット検出技術」は、デジカメで連続撮影した十数枚の画像中から、その中で撮影された人たちの瞳検出・抽出を行い、すべての人が目を開いている写真があれば、その「ベストショット写真」を出力する、という技術である。さらに、もしも目を閉じている人がいれば、その人の「目をつむっていない部分画像」を他の写真から探し出し、「ベストショット写真」を合成することで、造り出してしまおうというものである。

 こういった技術は以前から開発されている。例えば、まばたき検出から目を閉じている写真を防止するだけでなく、さらに笑顔検出も行って笑顔の瞬間の写真を出力しようというような技術もある。

 写真館でのバイト中、「被写体の気持ち・動きをいつも予測するようにしろ」というアドバイスを受けることが多かった。「(例えば何か面白いものを見て)次の瞬間に笑顔を見せる、(例えば何かに気づき)次の瞬間にふと考えごとをする、(歩く先にライトが当たっていたら)眩しくて目を閉じる、そんな未来の被写体の動きを予測しながら映す瞬間を考えろ・そしていい瞬間になるようにして待ちかまえろ」と言われていた。

 そんな作業、未来を予測し・未来を少し操作するような作業も、デジタル信号処理が肩代わりするようになる時代が、近く来るのだろうか。

実は3倍の大きさだった「アンドロメダ座大銀河」

 先月末、地球から200万光年先にあるアンドロメダ座大銀河の大きさがこれまで知られていたよりも実は3倍も大きかった、という報告がされた(日本語記事)。以前は、直径がおよそ7~8万光年と見積もられていたが、今回周辺の天体の動きを観測した結果、実は22万光年以上の大きさであることがわかった、という。

 アンドロメダ銀河の直径が8万光年なら地球から眺めた時の大きさは2.3°程であるが、もし直径22万光年ならば6.3°にもなる。6.3°というと、11cmの直径のものを1m離れて眺めたときの大きさである。

 両手を伸ばして、左右の親指と人差し指をで「大きな円」を作ってみよう。それが、今回判明したアンドロメダ銀河の大きさだ。もうすぐ始まる夏からは、アンドロメダ銀河を眺めるのに良い時期になってくる。夜空に向かって両手を伸ばし、自分の指越しに「大きな銀河」の姿を思い浮かべてみよう。直径22万光年もの大きさのアンドロメダ銀河を、自分の指で作ったリングの中で眺めてみれば、きっと奇妙で不思議な感覚に襲われると思う。

2010-02-23[n年前へ]

特許抵触検証のために(CPUの)X線透視や内部コード解析をしてみよう!? 

 「コピー品」から。

某自動車メーカのT社は某電機メーカのT社にECU用のCPUを作らせた。表向きはオリジナルCPUで、8ビット、同期バスでROMを内蔵していた。私はある自動車メーカの依頼でそのECUを解析する事になった。まずはCPUを調べる。X線で透視してI/O端子の当たりを付け、外部ROMモードがある事をつかむ。
 何故解析をするのかというと、一つは特許の問題だ。制御アルゴリズムなどの特許は、実際のコードを見ないとハッキリ解らない場合がある。ギリギリ特許に抵触しないように設計するためには相手のECUの中身を見る必要があるという事だ。

 現在でも同様の解析がコスト的に可能かどうかはわからないが、(検証性を問われがちな)制御アルゴリズムの特許を書こうとする人には、とても興味深く・楽しめる話かもしれない。

2013-09-04[n年前へ]

「自由自在に目を操れるサイコロ」や「透視できるカードや麻雀牌」 

 「遠くから、自由自在に出る目を操ることができるサイコロ」や「中身を自由自在に知ることができるカードや麻雀牌」…そんなものが、実はわりと売られていたりします(カタログ例)。千葉にある麻雀博物館には(残念なことに休館中です…)、偏光材料を使ったイカサマ麻雀牌が展示されていたと言いますが、そういう裏技道具というものが、各種存在していたりします(麻雀博物館所蔵の「偏光材料を使ったー実在する!ー麻雀牌」)。

 電子部品や、偏光材料や紫外線蛍光インクや赤外線吸収インク。…そういった色んな材料を「お金に直結する”賭け事”」に結びつける感性と実行力は、何だかとても魅力的で面白いなぁ、と思います。



 ランダムに動くはずのサイコロが自由に操ることができたり(するかもしれなかったり)したり、偏光性材料塗料と偏光コンタクトレンズと銘打った商品が売られていたり(ちゃんと機能するかは全然わかりませんが)…結構面白く新鮮ですね。

2013-10-09[n年前へ]

赤外線カメラでトランプ透視術!? 

 100円ショ)ップに「ジャンボトランプ」と「黒い巾着袋」が置いてあったので、(撮影波長が900nmくらいの赤外線カメラを使ってトランプ透視術をしてみました。

 (可視光しか見ることができない)自分の目で眺めれば、トランプは真っ黒な袋の中に隠されて、何のカードが入っているのか全然わかりません。

 けれど、赤外線カメラで眺めれば、真っ黒いはずの・けれど透明な巾着袋の中には、クローバのキングが一番上になっている…という風にわかるというわけです。

 可視光と近赤外線で同時撮影することができたなら、たとえば、RGB(可視光)画像とIR(赤外)画像を適度な比率で合成することができるような「透視術カメラ」を作ってみたくなります。つまり、私たちが眺める色も保ちつつ・自由自在にモノを透かして見ることができるカメラが欲しくなります。

 Lomography の アクションサンプラー みたいに、たとえば4つのレンズが並んでいて(ベイヤーマトリクスの1/4がIRという作りでもいいですが)R+G+B+IR を同時撮影できるカメラ!なんてモノがあったなら…思わず欲しくなりませんか?

赤外線カメラでトランプ透視術!?赤外線カメラでトランプ透視術!?








■Powered by yagm.net