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2008-09-24[n年前へ]

Pop-Eye 

 "Famous For 15 Minutes: My Years with Andy Warhol"を読んでいると、小気味良くパズル(謎)な会話に出会った。アンディ・ウォーホルに「ウルトラ・バイオレット(=紫外線)」が投げかけた問いと、その言葉に返された言葉だ。

Why not dress as Popeye, your hero?
He says, "It's Pop Eye."
憧れの「ポパイ」みたいな見た目に何でしないの?
僕が憧れてるのは、"ポップ・アイ"だよ。
 "ポップ・アイ"とは、一体どんな「瞳」なのだろうか。

 Andy Warhol Museum の壁にこんな言葉が描かれていた。この言葉は、個性や中身がないと悩みがちな現代の私たちに、とても自然なくらいに伝わる言葉のような気もする。

 Once you 'got' Pop, you could never see a sign the same way again. And once you thought Pop, you could never see America the same way again.
 中身に個性も無さ気な缶詰を描いた画を見ながら、ホウレンソウの缶詰を食べると超人的な力を放つポパイを思い浮かべ、そして、"ポップ・アイ"とは、一体どんな「瞳」なのだろうか、と頭を捻って考えてみる。

Pop-eye






2008-11-06[n年前へ]

いろんな形・いびつな形の野球場 

 「ダイアモンドの中心にピッチャーマウンドがあるか?」「昔の野球は、バッターに今よりずっと近い位置にピッチャーがいた」で気になったので、試しに近くの野球場に実際に行ってみた。そして、一塁から三塁方向を眺めてみると、やはり、一塁と三塁を結ぶ直線より、ピッチャープレートは、ホームベースよりに位置していた。

 ところで、ダイアモンドの大きさ、つまりは、内野の大きさ・位置関係などは野球規則で決まっているけれど、外野については「フェンスなどはホームベースの端から250フィート(76.199メートル)以上離れていること」という程度の決まりしかない、という。だから、いろんな大きさの、そしていろんな形の野球場がある。右上のピッツバーグ・パイレーツのホームグラウンドの変遷を眺めてみると、1909-1970年までのForbes Fieldも、2001年以降使われているPNC Parkも左右非対称だ。Forbes Fieldは、左右非対称どころか、実にいびつな形をしていて、見ていて楽しくなる。

 こういう野球場のいびつな形は、そのチームの特徴を生んで・あるいはチームの特徴に沿っている、と聞く。それが、また面白い。

 たとえば、守備面から見てみれば、Forbes Fieldは中堅手(センター)が強肩である必要があるだろうし、PNC Parkは左翼手(レフト)が強肩である必要がある。もちろん、攻撃面から見ても、それぞれの球場に応じて、有利なチーム構成がある、ということになる。

 左右非対称なホームグラウンドを持つ野球チームの、野球場の形状とそのチーム構成(特徴)を眺めてみたい。いろんな形・いびつな形の野球場の個性と、そのホームチームの個性を見てみたい。

PNC






2008-12-05[n年前へ]

西岡常一 「木のいのち木のこころ 天」 

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)」(あるいは「木のいのち木のこころ〈天〉」)は本当に貴重な必読書だと思う。斑鳩大工の西岡常一が語った言葉を塩野米松が書いたこの本には、本当に色々な形の、それでいて重い言葉が詰まっている。

 時代は科学第一になって、すべてが数字や学問で置き換えられました。教育もそれにしたがって、内容が変わりました。「個性」を大事にする時代になったといいますな。
 しかし、私たち職人から見ましたら、みんな規格にはまった同じものの中で暮らしているようにしか見えませんのや。

 近くの図書館の蔵書にこの本が入っていたならば、迷わず借りて読んでみるといいと思う。とても高い密度の真理が、きっとこの本には詰まっている、と思う。そして、折に触れてこの本に書かれている「たくさんのこと」を何度も何度も読み返したい、と思ったなら自分のものとして買ってみると良いと思う。

 木そのものが精密やないんですから精密機械は無駄ですな。そのとき精密に削っても次の日には狂っていますやろ。 

 少なくとも、技術者になりたいと思っている人は、けれどこれまで読んだことがなかったというような人は、読んでみるといいと思う。絶対に、そう思う。

2009-03-18[n年前へ]

ちょっとした発言やいろんなアプローチ 

 他の人が書いた文章を読んで、他の人の視点からの眺めを見て、本を見たくなることがある。

 相川藍の”BOOK”「活躍する女性たちの本」が、椿姫彩菜の「わたし、男子校出身です。 」に対して、書いた文章を読むと、この本を読みたくなる。

 世の中にはいろんなアプローチの優しさがあるんだなと思う。ちょっとした発言や懐の深さが、どれだけ他人を救うことか。この本には、個性豊かな人間である私たちが、少しずつ理解し合いながら互いの悩みを軽減し、幸せに生きるためのヒントがつまっている。

2009-08-04[n年前へ]

「個性」と「公倍数」 

 「ぢるぢる旅行記 (総集編) 」から

 中では三人の寺男が六つの鐘で宗教音楽を演奏していた。
 大理石の壁や天井に反響してものすごい音になっていた。
 意図的にズラされた三つのリズムが公倍数の所でカキッとハマるよう巧妙に作られている。
 「すごくうまいけどイキんだとこが全然ないね」「あーそ-そ-。いらないんだよ。暑苦しー個性とか自己主張とかね」



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