hirax.net::inside out::2009年09月16日

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2009-09-16[n年前へ]

"Cocoa"プログラミングのワクワク感 

 AppleのAdvanced Technology Groupからかつて生み出された、ビジュアルプログラミング環境"Cocoa"は面白かった。当初の名称”KidSim”が的確に表現しているように、小さなこどもで簡単にシミュレーションをすることができる「開発・実行環境」だった。「物体」を作り(初期状態を決め)、その物体の動き・反応を決める「ルール」を作る、基本的にはそれだけでプログラムが完成する、というものだった。

 たとえば、(横に移動する)「ミツバチ」を作り、「たまにミツバチは移動方向を変える」「ミツバチの隣が花だったら、ミツバチは止まる」というルールを作って実行すると、「ミツバチが空を飛び、いつしか花を見つけて、その上に止まる」というシミュレーション・プログラムができあがる。そんなようすを紹介する下の動画を見れば、当時感じた"Cocoa"のワクワク感が伝わるだろうか。

 Cocoaはその後Createrと名前を変え、Stagecastから発売された。かつての"Cocoa"という名称を、AppleがOSXプログラミングのフレームワーク名称として流用してしまったことに加え、"Creater"という名称も実にありがちなものであることから、"Cocoa"に関する情報を検索するのも今では難しくなってしまった。"Cocoa" AND "Creater"で検索をしても、探したい"Cocoa"とは別の情報ばかりがリストアップされてしまう。そんあこともあり、(かつての)Cocoaはほとんど忘れ去られてしまっているのではないだろうか。

 十数年前、"Cocoa"に触れた時の「ワクワク感」を忘れてしまわないように、フレームワーク名称ではない"Cocoa"について書いてみた。