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2015-05-03[n年前へ]

北緯55度近くの「昼と夜の長さ」は新鮮だ。 

 ヨーロッパの中北部で過ごし、一番新鮮に感じたことは、「昼間」の長さだった。以前行った時は、冬至も近い頃で、朝8時過ぎても周りは暗く・夕方4時前には夜が始まる…という具合で、「夜の長さ」が新鮮だった。ところが今回は、春に入り日が長くなる時期で、サマータイムも始まっていたこともあり、夜の9時過ぎまで空は明るく「昼間」の青空が広がっていることに驚かされた。北緯55度近く…ともなれば、冬は日が短く・夏は日が長いことを知識上は納得しているものだが、全く体感したことがない毎日だったので、とても新鮮に感じた。

 ためしに、世界地図の上に夏至近くの「昼と夜」を描いてみると、こうなる。東西方向には15度刻み(つまり地球自転の約1時間に相当する)で線を引き、南北方向には10°刻みで線を引いた下図を眺めれば、緯度が20度高い地域では、およそ日の出が1時間半程度早く・日の入りが1時間半くらい遅く…トータル3時間以上昼間が長いという具合に見えます。

 夏至近くの「昼と夜」を描いた世界地図と、春分・秋分の日の「昼と夜」=経度に沿って日の出が始まる世界地図を比べて眺めると、また一度、高緯度地域では夏の昼間がとても長く(冬は夜がとても長い)ことを頭で納得させられます。それでも、「夜9時過ぎでも昼間が続いている」ということは、とても新鮮に感じます。

北緯55度近くの「昼と夜の長さ」は新鮮だ。北緯55度近くの「昼と夜の長さ」は新鮮だ。






2015-05-04[n年前へ]

高さ35cm以下の小便器を保証しようとする日本は「世界一の小便バリアフリー王国」かもしれない。 

 高さ35cm以下の小便器を保証しようとする日本は「世界一の小便バリアフリー王国」かもしれない を書きました。

 日本は実に低身長男性(の小便)に優しいバリアフリー国家です。なぜかというと、日本では、かつては「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる 特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」により、そして現在では「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)」により、小便受け口の高さが 35cm以下(低リップ)の壁備え付け小便器を少なくとも建物にひとつ以上・できれば各階にひとつ以上備え付けるようにすることが、( 多数の人が利用する建物では少なくとも努力義務として、また大規模であれば義務として)定められているからです。
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成十八年十二月八日政令第三百七十九号)

第十四条  不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合には、そのうち一以上(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ一以上)は、次に掲げるものでなければならない。

2  不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する男子用小便器のある便所を設ける場合には、そのうち一以上に、床置式の小便器、壁掛式の小便器(受け口の高さが三十五センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を一以上設けなければならない。

高さ35cm以下の小便器を保証しようとする日本は「世界一の小便バリアフリー王国」かもしれない。






2015-05-09[n年前へ]

自転車乗りつつ投げ入れることに最適化されたような「ダンクシュート的ゴミ箱 

 自転車王国に「普通」にあって、けれどそれを意外に感じたのが、この自転車乗りつつ投げ入れることの最適化されたような「ダンクシュート的なゴミ箱。…さて問題です。自転車に乗り・(地球表面上で)手から離したゴミがこのゴミ箱が自然な軌跡で入るとしたら、自転車に乗る人たちの平均時速はおよそ何kmになるでしょうか?

自転車乗りつつ投げ入れることに最適化されたような「ダンクシュート的ゴミ箱






2015-05-10[n年前へ]

チェック柄の制服スカートをめくり上げる力は「ほぼ100〜150グラム重」という豆知識 

 制服スカートをめくり上げるのに必要な力は、一体どのくらいの大きさの力でしょうか?…実際にスカートを釣り上げる・めくり上げるのに必要な力の大きさをを計ったことがある人の数は多くはないかもしれません。しかし、私は目の前に「チェック柄の制服スカート」が置いてあって、気づいたら…自分の片手には荷重を計るための「ハカリ」をポケットに入れていた(計ることができる状況にあった)という経験をしたことが数少なからずあります…というわけで、今日は『チェック柄の制服スカートをめくり上げる力はほぼ100〜150グラム重』という豆知識を書いてみることにします。

 チェック柄の制服スカートの縁(ふち)をハカリで持ち上げてみると、およそ100〜150グラム重の力で、スカートの縁…そして全体が持ち上がっていきます。つまり、スカートの片隅をめくれ上がらせるために必要な力は100〜150グラム重の力です。つまり、ご飯一杯の重さを感じさせる力が制服スカートに働くと、スカートはめくれ上がってしまうのです。

チェック柄の制服スカートをめくり上げる力は「ほぼ100〜150グラム重」という豆知識チェック柄の制服スカートをめくり上げる力は「ほぼ100〜150グラム重」という豆知識






2015-05-12[n年前へ]

制服スカートがめくり上がる力は「ほぼ100〜150グラム重」で、風速でたとえると秒速10m弱…という法則を裏付ける実験経験 

 スカートがめくり上がるのに必要な力の大きさをを計ったことがある人は多くはないかもしれません。けれど、実際に計ってみると、およそ100〜200グラム重の力がかかると、スカートがめくれ上がってしまうという実験をしたことがあります(チェック柄の制服スカートをめくり上げる力は「ほぼ100〜150グラム重」という豆知識)。

 また、送風機を動かしつつ、スカート周りにかかる力を測定する状況は少ない…と思われる人もいるかもしれませんが…実際には、そういう送風機とスカートがカップリングされた状況は結構多いものです(個人の印象・意見です)。実際に、そうした実験をしてみると、「風でめくれるスカート」の科学!「涼しく晴れた朝の地下鉄駅をドジっ娘が走る」とスカートは必ずめくれる!?の法則に書いたように、秒速6〜10mくらいで、スカートがめくれ上がり始めるという…当たり前の結果になります。

 山奥の小学校でスカートと送風機を抱えていると、小学校の黒板に、風力と風の強さが図示されていました。制服スカートがめくり上がる「ほぼ100〜150グラム重」の力は、「砂ぼこりがたち、紙切れが舞い上がり、小枝が動く」程度と書いてあります。…さてさて、あなたの経験上は、その対応関係には違和感ありませんでしょうか?

制服スカートがめくり上がる力は「ほぼ100〜150グラム重」で、風速でたとえると秒速10m弱…という法則






2015-05-15[n年前へ]

フェルメール「ミルクを注ぐ女」をマルチスケールに3次元可視化してみた 

 アムステルダム美術館(ライクスミュージアム)で、夏休みの自由工作カメラを構えて特殊撮影したフェルメール「ミルクを注ぐ女」を、微細なマチエールから額の形状まで、マルチスケールに3次元可視化してみました。(これまで作ったことがあるのは比較的大きな形状は無視したものばかりだったので)

 マスターピースを描いた筆致を、ブラウザ上でWebGLを使いグリグリ眺めていると、数年後の美術館はバーチャルリアリティを使った(触れるくらい近くから眺めることができる)リアルな展示物公開をしていたりするのかも…と想像したりします。たとえば、今現在は、ルーブル美術館で公開されている「モナリザ」は遠くからぼんやり眺めることがでこる程度の存在ですが、いつか手元で・目の前で大きく眺めることができたりするのかも…と想像したりします。

フェルメール「ミルクを注ぐ女」をマルチスケールに3次元可視化してみたフェルメール「ミルクを注ぐ女」をマルチスケールに3次元可視化してみた






2015-05-19[n年前へ]

目に映る景色を作り出す「材料」が目に見える「分光スマホ」を持ち歩こう!? 

 ここ数日、グレーティング(分光版)持ち歩いてる。そこで、さまざまな照明光や色とりどりの物体を眺めるたび、各波長に分けた画像を眺め・楽しんでいます。そして、(カラーフィルターが撮像素子に貼り付けられていない)白黒デジタルカメラを搭載したスマホがあったなら、こんな分光景色を記録して回ることもできるのに…と考えたりします。

  とりあえず、普通のスマホで分光画像撮影をしてみよう!ということで、右に貼り付けたのが、そんなiPhoneで撮影した分光風景の一例です。こんな点光源状に明るく輝く景色を分光画像として眺めてみると、そして、さらに各波長に分解された光をグラフにして重ね合わせてみると、たとえば、高圧ナトリウムランプのD線(589.6nm)を中心としたいくつもの輝線などが見えてきます。そして、目に映る景色を作り出す「材料」が目に見える心地になります。

 明日以降、画像に対して(分光されている方向に)自己相関をとり、一般的な景色を分光像として眺めることができるようにしてみようと思います。

目に映る景色を作り出す「材料」が目に見える「分光スマホ」を持ち歩こう!?目に映る景色を作り出す「材料」が目に見える「分光スマホ」を持ち歩こう!?






2015-05-20[n年前へ]

自転車王国オランダでは、かなりの比率の人が乗ってる自転車に○×が△□!? 

 「自転車王国」と呼ばれるオランダで、これは確かに自転車王国だ!と驚かされたのが「老若男女、かなりの比率の人が乗ってる自転車に○×が△□」ということだった。たとえば、スーパーで自転車止め、近くに留まってる自転車を撮ってみたのが左下の写真。よくよく見ると、日本のよくある自転車群とは大きく違う部分があって、気づくと思わずビックリさせられる(一番右の自転車は普通)。

 答えは何かというと…「自転車を高速で走らせる老若男女の人たち、そのかなりの比率の人たちがブレーキがハンドルには無い自転車に乗っている」ということだった。たとえば、右上の写真、街中に止められてる昔ながらの(よく見かけるタイプの)自転車を眺めてみれば、ハンドルはただのハンドルでハンドブレーキなんか全く存在していない。…つまり、いわゆる「ペダルを逆回しするとブレーキがかかるコ-スタ-ブレ-キの自転車に乗り・高速に飛ばしている人が多い」ということ。 いや、びっくり。

自転車王国オランダでは、かなりの比率の人が乗ってる自転車に○×が△□!?自転車王国オランダでは、かなりの比率の人が乗ってる自転車に○×が△□!?






2015-05-30[n年前へ]

ゴッホ「夜のカフェテラス」を特殊撮影してみた 

 オランダのクレラー・ミュラー美術館(Kröller-Müller Museum)でいくつもの絵画を特殊撮影してきました。デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園の中にあるこの美術館は、アムステルダムのゴッホ美術館と並ぶフィンセント・ファン・ゴッホ絵画のコレクションで知られています。…というわけで、1888年9月にフィンセント・ファン・ゴッホが描いた「夜のカフェテラス」 (Caféterras bij nacht)をWebGLで3次元的に表示してみたのが、下の動画です。

ゴッホ「夜のカフェテラス」を特殊撮影してみた






2015-05-31[n年前へ]

「チャリンコ(自転車)」の語源・由来、「擬音・韓国語・スリ」正しい説はどれだ!? 

 「チャリンコ(自転車)」の語源・由来、「擬音・韓国語・スリ」正しい説はどれだ!? を書きました。

 2015年の現在、自転車を指して「チャリンコ」という言葉が使われることも一般的です。しかし、「チャリンコ」が自転車を意味するようになった理由は、ハッキリとわかっているわけではありません。今回は、「チャリンコ」という言葉が自転車を指すようになった経緯について調べ、どれが正しいのかを考えてみることにします。
 そして、何より一番の「自転車という言葉の韓国語読みであるチャジャンゴが日本に再輸入・変化したという説」に対する違和感を、「チャリンコという言葉がどこから広まったか」ということから、感じてしまうのです。

「チャリンコ(自転車)」の語源・由来、「擬音・韓国語・スリ」正しい説はどれだ!?