hirax.net::inside out::2009年11月10日

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2009-11-10[n年前へ]

"「レンズ・撮像素子・画像処理エンジン」+「ボディ」=デジカメ"という新製品 

 『リコー、近藤社長の本気デジカメ登場、レンズ交換式「RICOH GRX 」発売へ』という記事を読んだ。

 「GXR」は、ボディ内に撮像素子を搭載せず、「レンズ・撮像素子・画像処理エンジン」が一体になった「カメラユニット」をボディ に着脱することで、幅広い撮影シーンに対応できるようにしたユニット交換式カメラシステム。コンパクトデジタルカメラ並みのサイズで、高画質・高機動性や高い拡張性の実現を図っており、レンズ交換ができるデジタルカメラとしては世界最小・最軽量を実現した。ボディには各種操作機構や液晶モニタ、内蔵式フラッシュ、カードスロットなどを搭載。本体のスライド式機構を利用してカメラユニットを取り付けることで撮影を行う。また、ユニットの撮像素子は密閉されているため、交換時にゴミが付着する心配がない。
 「従来の一眼レフでは、レンズは選べたが撮像素子や画像処理エンジンは固定だった。しかし、『GXR』では撮影シーンに合わせ、3つを常にベストマッチの組み合わせで撮ることができる。これは非常に大きなメリット」と語った。
 単なる平面である感光フィルムと違い、立体構造を持つ撮像素子は光学レンズを選ぶ、逆にいえば、単一の撮像素子に対応しようとすると光学レンズに要求される項目が増えることも多い。また、撮像素子へのごみ付着の可能性がないというのも、結構面白い「デザイン・割り切り方」だと思う。

 画像処理エンジンは、陳腐化しやすい。だから、もしも、それは画像処理エンジンの開発期間を短くすることができていて・なおかつ安く製造できるのであれば、画像処理エンジンを入れ替えることができる、というのは魅力的かもしれない。

 もしも、この製品が「カメラユニット」と「ボディ」間のインターフェース規格を公開するようなことがあれば、実に画期的な製品だと思う。自社の複写機の内部構造を教育機関に公開し、アプリケーション作成コンテストを行ったこともあることを考えれば、そういう選択をしてもおかしくはない、と思いたいものである。

ところで、今日書いた「人に何をされたかを数える人生は、さびしい。」中に登場する近藤史郎は、この近藤社長である。そして、愚痴る言葉を発した氏に対して、「人に何をされたかを数える人生は、さびしい。人に何をしてあげられるかを考える人生でないと、楽しくないよ」と呟いたのは、「天才」と呼ばれた、かの社のカメラ設計者である。ニュースというのは繋がっているものである。何事にも繋がり、というものがある。