hirax.net::inside out::2010年12月12日

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2010-12-12[n年前へ]

「京都」の「秋分の日没」に時空間トリップしてみよう!? 

 「春分と秋分の日には京都に行こう!?」で書いたように、太陽が真西に沈む春分と秋分の日あたりでは、京都の東西に走る道の先に奇麗に夕日が沈んでいきます。

 マンハッタン距離を使うことができる街といえば、京都もそういう街のひとつです。東西南北方向に向けて、碁盤の目状に道が作られています。だから、太陽が真西に沈む春分と秋分の日近辺では、何本もの東西に走る道の向こうから夕日の光が差し込んでくる、ということになります。

春分と秋分の日には京都に行こう!?

 ・・・と聞けば、そんな景色を眺めてみたくなることと思います。そこで、Google Earthで京都四条河原町の交差点に行き、太陽を表示するモードにして、今年の秋分の日、午後5時40分に時空間トリップしてみました(Google Earthを特定の時間・場所・向きを指定して起動できる”リンク”があれば、そんな”リンク”を挿入したいところです)。それが、下の映像です。東西に走る四条通りの先の山上に、太陽が沈んでいくさまを見ることができます。こんな幻想的な風景は、液晶ディスプレイの中に見るだけでも、とても魅力的な景色です。

 この瞬間、夕日が沈む瞬間に、河原町通りを南北に走れば、どの交差点からも夕日が(東西に走る)道の先に輝いていることになります。そして、どの交差点も、西から差し込む赤い光で照らされ・輝いている、というわけです。

 といっても、(地球上からおよそ0.5°の角度に見える)太陽は、ほんの2分たらずで山の向こうに沈んでしまいます。だから、人が溢れる河原町通りをどんなに力一杯走っても、次の交差点にたどり着くまでに太陽は沈んでしまうことでしょう。

 路行く人を押しのけ、跳(は)ねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴(け)とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。

「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。

太宰治 「走れメロス」

 けれど、秋分の日、春分の日、京都の交差点に立っている人たちが、みな西にカメラを向けて道の先を写してみたとしたら、そこには一体どんな景色が映るのでしょうか。そんなたくさんの夕日を、少し見てみたいようにも思います。

子どもと同じ方向を向いていた。
久しぶりのことだった。

そうだ 京都、行こう。 2006年 「夏〜三十三間堂」

 そんな景色、「京都」の「秋分の日没」を、Google Earthで疑似体験してみるのも面白いのではないでしょうか。

秋分の日、京都で日没を眺めてみた!?